ここはついい最近まで「工事中」でしたので、う回路が増設されたりして、静かに何かをする所ではありませんでした。
そのうえSARSE-Cov2の影響で楽器演奏の練習をする人の陰もほとんどなかったのです。
私もそろりそろりと外に出なくてはと思い始めているのですが。
楽しみのギャラリー巡りも、あまり開催しているところがなくて、寂しいのです。

上流方向から自転車を走らせて来ると、風に乗って聞き覚えのあるあの横笛の調べがかすかに届くのです。

近づいてみると、やはりこの方でした。
いつも通り奥様と一緒です。奥さまはすぐ脇に腰を下ろして静かに本を読んでおいでです。本当に仲がいい。
私が近づくと、私に気付かれましたが、演奏中でしたのでそのまま続けられて・・・・。

数か月前のこと。しばらく別の川の方で吹くようにするとおっしゃっていたのですが、この場所の工事が2か月近くも早く進んで、きれいになりましたから、「今日から戻ったのです。」とおっしゃいます。
「これからは、ここか向こうです。」と対岸に目をやります。
前回の京都写真美術館での個展の時に、奥様とおいでくださいました。この方の写真も展示させていただいたのですがずいぶん喜んでいただきました。

とにかく演奏が素晴らしいのです。
私は石段に腰を下ろして耳を傾けたのですが、例えばモンゴルや新疆、はたまた南部地方の曲をつぎからつぎへと吹いてくれました。 途中から短い笛に持ち替えて。
その地方による表現、音の違い・・・・感動的です。
北では馬のひづめの音に聞こえる短い音の連続も南の地方の曲では鳥のさえずりに聞こえます。
長く垂れる柳の緑のそよぎをほうふつとさせる調べが周囲の景色を変えます。

中国の曲は、あまり楽譜で学ぶんじゃないんだそうで、「耳で聞いて吹くんです。」とのことでした。
それだけに変に学習ばった、規則的な音楽ではなくて、のびやかで、ストレートに民俗的な情感が広がるのではないかなと思いました。
とにかくこの方はただモノではないのです。 なんと5曲も吹いてくれました。
気持ちの良い風が吹く水辺で、実にぜいたくな時間をいただきました。
謝謝。 再見。
- 2020/06/24(水) 00:00:08|
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