ギャラリーを外からのぞくと明るい色遣いの大きな画面が目に飛び込んできた。
どうやら相撲の力士の取り組みが描かれているようです。相撲人気の凋落が目立つ昨今ですが、それを主題として取り上げている珍しさも手伝って入ってみました。
作者はまだ現役の女子大生でした。
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相撲が大変お好きらしくて、
「実際に土俵を見て虜になりました。」とのことで力士の激しいぶつかり合いの時の音だとか、息遣いを聞いたり見たりして、「すごいな」と思ったのがきっかけでここ数年は相撲・力士の絵ばかり描いていて学校ではちょっと有名なのだそうです。

男性が描けば飛び散る汗やゆがむ顔、激突して悲鳴を上げる筋肉、土俵の土をかむ足の指・・などなどつまりは格闘技、勝負というところに目が行くのかもしれませんが、ここには歯を食いしばる顔もなければきしむ筋肉もないようです。

若・貴時代には若い女性が「相撲の決まりや技は知らないけれど・・」といいながらずいぶんと関心をもって連日「満員御礼」の幕が下がっていましたが、その時期せずして上がった人気に胡坐をかいて「相撲を理解しない若い女の子」の関心のありように真剣に向き合わなかったつけが今日の相撲協会に来ているように私には思えます。
私はこの方に「是非この絵を相撲協会やや相撲部屋に売り込んだらいいんじゃない?」と「けしかけ」ました。
こういう風に相撲の魅力をとらえる若い感性を組み取らないようでは相撲の未来も危ういなあと思ったし、この人の絵の魅力を知る人が増えたらいいなあとも思ったからです。
私が気にいったのはこの絵です。

絵は一見簡単に書かれているようですが、重ね塗りや絵の具のたらしなど実は工夫がいくつも見られます。
一番気に入っているという卒業制作として描かれた絵がここには写っていませんが、これから面白い人だと感じました。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/02/09(木) 00:04:15|
- 絵画
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