甘納豆づくりが「工芸」?!
「作る」という点で・・・・。
これが新しい。

伝統工芸を紹介する企画の一角に「甘納豆」がありました。
えっ?! 甘納豆づくりが工芸? ここに一緒に参加しようという思いを持つところに「4代目」の面目があるのでしょう。
甘納豆自体の歴史はさほど古くは遡らないのです。江戸晩期だそうです。
元は「甘名納糖」

大学院で微生物研究に明け暮れた4代目。
白衣を着るとなんとなく落ち着くんです。自分の気持ちが決まるというか・・・・。
というのは家業として幼いころから親しんでいたからというより研究室にいたからという方だそうです。

今小豆を焚いているのですが、落し蓋ならぬ落とし網がしてあって、表面に出てきているマメが乾かないように湯をかけています。
とにかくこの焚くということが命でずっとお守りをします。
落とし網(というのは私の勝手な命名ですが)をするのは、マメが「踊」らないようにするためです。
豆が激しく滞留するとお互いにぶつかったりこすれたりして皮が破れます。
豆への熱伝導をできるだけ均一に知るためには底が深くない、ある程度広い容器が良いのだそうで、そこにマメを高く重ならないように入れたいのだそうです。

お店は週三日の開店にしています。甘納豆づくりには4日かかるからです。 それで作るときには販売などに手や意識をとられないように、そして出来立てをお客さんに届けたいので開店は木金土です。
砂糖をまぶしますが、和三盆を使うと言います。
私が「甘納豆は好きだが二つ不満がある。」と言って「一つはまぶされている砂糖の甘さが硬くてかどがある。二つはつまんで食べると指先に納豆の蜜や砂糖がついて置き所に困る。」
「舞妓さんたちが『食べた時に指が触れてべべが汚れる心配があって困るのどす。』というので和三盆にしたのです。それで味もまろやかにやさしくなりました。」とのこと。
なるほど先に手が打たれている。

こうした経験知の世界に科学を取り入れる4代目です。
科学と経験値の融合です。
今後が期待されます。
- 2020/04/10(金) 00:00:16|
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