この極細の線を引く技を受け継ぐことをこの人は使命と感じているのです。
こういう若手がいなくなれば技は途切れます。
極細の口金を作る技はもう風前の灯火です。

この公開実演も前の日曜日で終わりでした。
COVID-19の感染の不安のある中で、まあ実際にはお客さんが押すな押すなになるような状況ではないので、とにかく予定の終了日まではいろいろ気を付けながら実行したようです。

周りを見てもお客さんはお一人お二人という感じです。
お客さんとは作業台を挟んでかなり距離をとっていますしね。
私は70ミリ付近で撮っていますのでかなり接近しているように見えますが。

この実演企画は若手の職人さんを中心に考えられたもののようですが、間が悪かったですね。
次回にも大いに期待したいものです。

私はなりゆきでこうして京都に暮らしていますが、このように職人さんたちに出会って写真を撮るのも京都に住んでいる私の役割かなあと思ってやっています。
別の可能性のあったなりゆきで、郷里に帰っていればできないことですしね。
それは画家や音楽家たちの写真も同じですね。

人生はいろいろなベクトルの合成として実現していくので、それを総じていえばなりゆきで過ぎていくということにもなります。
夜飲んで帰るときに「俺はなぜ人生のこの時にこの馴染みのない道を歩いているのかなあ。」なんて思うことがままあります。
それでもそこにいて可能なこと、自身の思いとしてこうありたいという筋を通してやれることをやるということになるんだろうと思います。

COVID-19に命を奪われなければ・・・・実は交通事故で死亡する確率の方がまだ高いのだと思いますが・・・・またいつかこの人を撮ることがあるかも知れません。
- 2020/04/09(木) 00:00:15|
- 工芸
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