
COVID-19の影響で都市封鎖も検討されている。もし東京が都市封鎖になれば本社機能も集中して経済の中心都市、人口も令和2年1月1日現在の推計で13,951,636人の大消費地であるメガロポリスが経済活動を大幅にダウンさせる可能性がある。
他都市でも外出自粛を各都道府県知事が呼び掛けている。こうなると経済はとてつもなく落ちこむ。これは明白なことだ。
私たちが直面している危機は極めて重層的で深刻です。
私たちは今ここで経済の危機を言われているのですが、この危機に関してCOVID-19の影響で人々の行動の自粛問題や海外からの旅行者の激減くらいを視野に入れて問題にしがちですが、しかし、事はもっと大きなスケール見る必要があります。
まず日本経済の基盤は極めてぜい弱だという事です。それがアベノミクス・新自由主義経済の推進で一部大企業と富裕層の資産は極めて大きいものになる(株価は高水準に維持されてきた。大企業の内部留保はどんどん積み増してきたなど)、一方で勤労諸階層の所得は、例えば実質賃金が大きく下がっています。アベノミクスの6年間で諸外国の経済成長がプラスに伸びていたにもかかわらず、それとは別次元の停滞を続けてきていましたそうした中で大企業・富裕層の所得が伸びているということは日本社会には深刻な所得格差が生まれているという事です。中間層がやせ細り、貯金や金融資産がゼロだという階層が10数%います。まさにその日暮らしの人々です。非正規労働者≒低賃金かつ無権利労働者が雇用労働者の半数を占め、パートやアルバイトが低賃金労働のさらに底にいます。
そういう軟弱基盤の上に、昨年、消費税10%が重くのしかかりました。駆け込み需要も微弱であったうえ、その後の景気後退は顕著です。昨年第4四半期のGDP伸び率はマイナス7.1%であったことは幾度も触れました。
そうしているうちにCOVID-19の感染の広がりで観光収入の大きな割合を占めていた中国・韓国の旅行者が激減してしまいました。今やゼロ状態です。しかも悪いことにこの中国・韓国の旅行者が減ったことには日本安倍政権の対中国、対韓国の敵視政策とそれに誘引された嫌中・嫌韓の空気があってのことです。これについては後にも触れます。
(日本政府は、武漢でCOVID-19が蔓延した際に日本人の帰国のために特別機をチャーターして帰国支援をしました。その際に、私は情報に接することができずに「支援物資を満載していくべきで空気を運んでいくのは無策だ。」と書いたことがありました。が、実はそれはそうではなくて支援物資を運んでいたのです。地方自治体にも中国の各市にマスクなどの支援物資を送っていた自治体がありました。こちらはわずかに漏れ聞こえていましたが、こうした貴重な行為を・・・・政府の宣伝ができるのに、また中国との友好を深めるうえでも積極的な貢献であるにもかかわらず、決して大きく報道されたとは言えないように思います。何故それが大きく扱われなかったかという原因の一つは二階自民党議員が自党の国会議員に一人5千円の支援をしようと呼びかけた際に日本会議系の例えば青山某などは青筋立てて反対を唱えていました。そういう政治的な絡みがあるのではないかと愚考しています。
最近の中国国内で、COVID-19が収束したら旅行したい国はどこかという調査があって、それの第一位が日本だったそうです。この背景には先にあげた日本からの支援によって日本に対する好感度が高まったということがあるようです。)
インバウンド需要の急激な後退に輪をかけるのがいま実施され、あるいは実施を考慮されている「強い自粛要請」、さらに「都市封鎖」政策です。感染者の全体的な数量的、かつ定性的な把握もなしに、大げさな対策を振りかざすのですが、その政策の評価基準すら明確にしない強硬策であることが特徴です。広範に投網をかけるような規制をすればことは深刻です。
そのうえその政策によって当然予想される国民生活の底が割れる事態に対して明確で大規模な支持政策がないということが深刻です。東京都知事は政策的なビジョン、財政的な裏付けを持って都市封鎖などということを言いだしているのでしょうか。事は東京にだけ限った問題ではなくて全国的なリセッションの引き金を引きかねないというその重要性が分かっているのでしょうか。もし分かっているのならばその政策によって生じる生活、経済の大きなひずみをカバーする全国的政策をその権限のある中央政府とともに発表すべきでしょう。都知事のスタンドプレーで済む問題ではありません。
加えてオリンピック・パラリンピックが一年延期されました。スポーツの大会というより利権と景気対策のための大会であるオリンピック・パラリンピックが延期されたということは、少なくともこういう手法で景気対策をしようとする限り大きな痛手です。
安倍政権はこれまで医療・福祉のための財政を年々強力に抑制してきています。
消費税を8%にあげる際にもこれを福祉政策の財源とすると言いましたが、それは真っ赤な嘘でした。ほとんどその同額が大企業・富裕層への所得減税に消えてしまいました。マクロスライドなどという手法でどんどん福祉予算を削ってきたのが安倍政権です。そのために貧困層や社会的弱者の経済変動に対する耐性が極めて劣弱になっており、既に医療資産からいっても医療崩壊の危険性が高くなっていたのです。こうした弱さの中で、これから隠蔽されてきた感染者の実態が現実によってあらわになれば、医療崩壊によって人的にも経済活動的にも大きな犠牲が出ると予想しなければなりません。(沢山検査したら病院に人が押しかけて医療崩壊が起こるということを言う人がいます。がしかし、それは事の一面しか見ない考えです。医療体制の方がすでに安倍政権によって年年歳歳削られ痩せ細らされてきていると言う事実を見なければいけないと思います。)
さて、こういう日本経済の危機的状況を立て直そうとすると国民の消費需要の力弱さが足を引っ張ります。富が少数の富裕層に極端に偏ってしまっていて、低所得層・貧困層の分厚さが景気浮揚の足かせになります。
今世紀の各国民経済はトランプのような政策では成長はできません。つまり自国ファーストを前面に出して自国のみの利益を計って他国にマイナスを押し付けられるようなことになれば輸出にも輸入にも益しません。結局自分の成長の条件を自らつぶしてしまいます。現在の経済は各国の利益を相互に認め合い共に成長するのでなければ成り立たない深く多様な相互依存関係にあるのです。日本の自動車産業が中国の部品製造産業に支えられている一事がこの騒ぎの中で私たちにも克明にわかりました。マスクだっていまだに自給できないのです。
そういう点からすれば今度のCOVID-19の爪痕は中国にもアメリカにも甚大であって日本の回復過程のタイミングによってはとてもちぐはぐになって助け合えないかもしれません。
そこに持ってきて安倍政権の嫌中・嫌韓の政治姿勢はこれの大きな妨害物になることが心配されます。
この危機的事態にあって我が日本国民の不幸はさらに一つあります。
それは無能で戦前政治の亡霊と化した安倍政権です。しかもこの政権は単に無能であるばかりではなくて腐りきっているという事です。
結論付けて言えば、私たちがこれまでいくつもの内閣が倒れてよいような事態を経験しながらも、この安倍自公政権を存続させrているということ、このことが一番の危機の要因だということを知らなければならないと思います。
- 2020/04/01(水) 00:00:35|
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