「京仏具師」という言葉があるのかどうか・・・・ちょっと疑わし、いのですがまああってもおかしくはないかな。
毎年京仏具の見本市のようなイベントがメッセで行われます。そこでは木地師や塗師や仏師、錺師などが実演をしてくれています。
この方は木地師になるのでしょうか。
昨年もお話を伺い、その腕前を見せていただきました。
私に気付くと「やあ、あんたは前も来てはったなあ。写真を撮ったはるお人やな。」と即座に思い出してくださいました。
なんという記憶力!!

御年83歳。安倍晋三氏ならこんな個人情報は漏らさないでしょうけど、私は口が軽いので。
まさに名人、匠と呼ばれるにふさわしい実績と現在のある方です。
上の写真で見せてくれている作品は何と足掛け10年の製作期間を費やした小さな大作です。(お値段を付けるとなると私の現役時代の年収を悠に上回るもので、なんと最早。それで「どこの仏具店でも扱ってくれんのです。」と却ってうれしそうです。
中に照明もつけられているほかいろいろな仕掛けもしてありますが、全部自分の創意工夫で「何か作るのがとにかく好きなん」だそうで、今でも作るのが好きで好きでたまらんとおっしゃいます。

道具を見ていただくとその中に柄が異なった木を継いであるのが分かりますか。
鉛筆と同じでね、ちびてくると自分で継ぐんだよ、とおっしゃるのですが、それ自体が工芸品のようです。
彫刻刀もその刃が細いとご自身で付け根を補強しますし、ご自身でのこぎりも作ってしまうのだそうです。
やはり道具は職人の手足、命なんですね。

お元気です。好奇心と成長意欲の塊みたいな人です。
初めて小僧として親方のもとで働いた時の苦労を忘れないと言います。
それでそれを思い出しては、若い職人の卵たちに優しく丁寧に指導されるそうです。
そこに指導を受けた伝統工芸大学校の、今年卒業するという学生が来られました。
「どう厳しくて恐い先生だったんじゃないの?}
「いえ、とても優しくて丁寧に教えていただきました。」
そのことはここではない別のところでも学生から聞いています。

私が人に教えるようなものになるとは思わなんだけど、若い人に伝えられる言うのんはうれしいことやなあ。
- 2020/02/08(土) 00:00:15|
- 伝統工芸
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こんばんは!
この方の「教えるでなく伝える」の心が
若い方にも響くものがあるのですね。
道具に対する真摯な態度が
素晴らしい職人をうむのだと思いました。
年齢に関係なく職人さんの表情は魅力的ですし拝見するのが楽しみです。
- 2020/02/08(土) 18:39:13 |
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- mina (アトリエのつぶやき) #-
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コメントありがとうございます。
ご高齢の大先輩方の姿を見て若者が育つ感じですかね。
生き方としても周囲を動かす力があるように感じました。
こうした方をたくさん撮りたいなあと思っています。
- 2020/02/08(土) 21:10:12 |
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- soujyu2 #-
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