「すくい織」という言葉、今まで意識して聞いたことがありませんでした。
皆さんはご存知でしたか。
この方に教えていただきました。
でも私の文章力ではとても「すき織とは」を説明できません。

今、現在京都市長選挙が進行中です。
現在の伝統工芸が置かれた状況には現市長の政治責任が少なからずあると私は考えています。
議会に和服姿で登場するなどいかにも和服文化を大切にし、京都の伝統文化と守ろうとしている風なパフォーマンスを見せていますが、その実はどうなのか、職人の皆さんからアンケートをとりたいくらいです。

目先の、富裕層のための儲けのための観光としての「伝統工芸」「伝統文化」としか考えていない、そういう印象を私はもっています。
私はリタイア後にたくさんの職人さんと話をし、写真を撮らせていただいて来ましたが、つくづくこれ以上現市長に市の行政を託していたのでは京都ブランドがボロボロになるのもそう遠い未来ではないなと思います。

海外からの観光客はずいぶん増えてきましたが、日本人は既にしばらく前から敬遠し始めています。
テレビででは安直に京都のあれこれを主題にして番組が作られていますし、なんと京都市が、吉本の芸人に大枚を払って自身のツイッターなどで京都を宣伝してもらうなどと(そしてそのことは市民に隠していた)、常軌を逸したことまでしていますが、日本人の中では京都の魅力は失われてきているのではないかと思います。

どの分野の職人さんたちも諦めずにその仕事に心血を注いで伝統を守っておられますが、もはや多くの分野で60歳代で50歳代が一番若いとか、50歳代なら青年みたいなことになっています。
和服は現代の日常生活にそぐわないのだから仕方がないという意見もあります。そうした側面がなくはないと思います。女性が人として扱われなかった時代の服装が、そのまま自由と平等と民主主義の(日本の現実がそうであればなあと思いますが)時代の人々に敬遠されるのはある意味当然です。
しかし和服も例えば室町時代にはずいぶん軽快なものに時とともに変化しました。また庶民が美しさやおしゃれを楽しめるものにもなりました。
振袖などは江戸時代の爛熟とある種の退廃の産物ですから修正されて行くのも時の必然かと思います。
室町時代の人々が生活に相応しい和服を作り出したように現代の私たちにもそれができないはずはないと思います。
- 2020/01/24(金) 00:00:14|
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