京都新聞で長く一コマ漫画に健筆をふるってきた方です。

たまたまお持ちになっていた作品集を見せていただきました。
一目見た瞬間に、思わず吹き出してしまう作品の数々でした。
村山富市。社会党が自民党や「さきがけ」といった保守政党との連立内閣を成立させたときの社会党党首で総理大臣になった人。彼は社会党のシンボルマークの矢印を握って、その先を大きく右に曲げていました。
どんな風にも主義主張を曲げちゃうんだというものでした。
まさに!!
見て即座に膝を叩きたくなりました。
それで今日、社会党は社会民主党にその痕跡を残すだけの少数勢力なり果ててしまいました。

今の安倍政権ならば毎日毎日幾らでも笑い飛ばす種には事欠かないでしょうが、あまりに種が多すぎるし、その存在自身がまずい漫画そのものという訳で、あきれ果てて描く気になれないかもしれません。

新聞の一コマ漫画はまさに今取り立ての新鮮さがものを言いますから、新聞の〆切ギリギリまで入稿を待つのだそうです。
選挙の時や、内閣改造の時など、これだ!と思った話題、切り口が直後の、事態で消し飛ぶことはいくらでもあるので、いくつもの予想を立てて数本の作品を準備することもあったんだそうです。
大変な仕事ですね。

ただ事実を伝えるのではマンガじゃないですからね。
思わぬ本質をついて見せる、そういう面と、真面目にウソを言っているのを嘘と真実とのギャップに気付かせて笑わせるなどなどの一ひねりや落ちがその画面の中にないといけないのですからよほど柔軟な思考力の持ち主でないとこういう『離れ業』はできません。

私など教科書風な思考しかできない人間にとってはまさに離れ業ですね。

AはAであり、BはBであるなんてことをしかいえないようでは漫画は描けませんでしょう。まして一コマ漫画は。
だからこういう方たちとのお話はすこぶる面白いわけで・・・・。
- 2019/12/28(土) 00:00:14|
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