帽子絞りをされています。
少し見ている感じでは、率直に言ってあまり手際が良くありません。
長年この仕事に取り組んだ人とは見えないのです。
どういうわけなのかなあ、手指を故障して作業がしにくいのでしょうか。

お話を伺いました。
合点がいきました。

この実演はそれぞれの組合で引き受けるのです。そして組合員が調整して実演に参加するのですが、この方は実は「桶絞り」が専門の方でした。
「ここで桶絞りの実演はしにくいから、急きょ帽子絞りを見てもらうことにした。」という事情がおありになったわけです。
「京絞り」の組合も組合員が少なくなり、むろん高齢化もしています。

「本疋田はとてもできないけど、それ以外は一通り修業時代に経験しているから、なんとか・・・・。」
たしかに「本疋田」は一朝一夕にできないのでしょうね。あまりに細かな作業ですしね。
そういうわけで久しぶりの帽子絞りで少々普段と勝手が違うということでした。

「じゃあ、写真を撮らせていただくと具合が悪いですかね? 本職じゃないし。」
「いや、かまわないよ。」ということで撮らせていただきました。

来年のグループ展は「職人」でやるというのが第一候補ですから、チャンスがあればきちんと取り組んでおかねばと思うのです。
このグループに属している意味合いは一面ではもうとても希薄になっているのです。ただ別の面では参加し続ける意味が大きくなっていると・・・・、何を言っているかお分かりにならないと思いますが。

どこにも「虻」は必要でしょうしね。
大した棘は持っていませんが。
- 2019/12/19(木) 00:00:36|
- 伝統工芸
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