「前にお会いしましたよね?!」と、私のことを覚えていていただきました。
ちょうどその時にロシア人のツアーが来て、そのガイドと私がいろいろ話していたのが印象的だったんだそうです。

最近ここにも一時のように中国、韓国からのお客さん一辺倒ではなくて、欧米の方もかなり増えました。
もうインバウンドの急増期から高位安定期に入っているのに、この施設の受け入れ体制の根本は変わって、成長していないように見えます。
こうして実演をされる職人さんの負担は大きいと思いますし、来られた方々は日本の職人さんの地位が「あまり高くはないようだなあ。」と感じられると思います。

目を見張るような高い技術を持っておられても、その、扱いはどう見ても丁重とは言えません。敬意が感じられないのです。
それは一人この施設だけの問題ではなくて京都市の文化行政そのものがここに現れていると私には見えるのです。

大者を呼んできて何かガチャガチャとして落ち着きのないイベントは盛んにやるのです。ですがそれで京都の継続的で厚みのある文化が育つかと言えば、どうも疑問です。
先ほどまでは私と軽口をたたいては笑っていたのに「久しぶりに撮らせていただけますか?」と言った瞬間、この表情、この集中です。

コースターくらいの大きさの布にいろいろな季節の花を描いています。
無論?下書きなどはありません。もう完全にそれらを手のうちに入れて、しかしその時その時の今日でいろいろなバリエーションで描きます。
この人たちの写生の修練や、繰り返し繰り返しの書き込みは大変なモノなんですが、それとともに図案などの古典研究もまた学者並みなんです。
それでも「わしらは芸術家とは違うので・・・」と一歩も二歩も謙遜されます。

この方は二代目ですが…三代目は・・・・。
- 2019/11/09(土) 00:00:36|
- 工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0