先日沖縄本島と石垣島に撮影に行きました。
目的は下の写真で歌っている川口まゆみさん(シンガーソングライター)の三枚目のCDリリースに当たってジャケット用の写真を撮ることでした。
「本人の写真と風景も撮って来てね。」というのが事務所の要望。
ということは風景を求めて石垣島を周遊できるかな・・・という淡い期待。

実際はなかなかハードな三泊四日でした。
「石垣島はね、天気が変わりやすくて曇ることが多いさぁ。 天気予報は当たらんよ。」ということで本島でも石垣でも雲の広がる時間が多くて「青い空、白い雲、紺碧の海、広がるサンゴの浜…。」などというのは・・・・・。

石垣島でも与論島や宮古島などと同じように自衛隊基地が急速に建設拡張されています。
石垣島の水源のある高台に自衛隊基地が建設されています。
人々はそういう日常の破壊、平和の切り崩しと向き合っています。

沖縄には仕事も含めて何度か行きました。
でも石垣島は初めてです。
家人は「きれいな写真を撮って来たら額に入れて飾るから・・・。」と期待をして待っていましたが、「どう、いいのが撮れた?」とは未だに訊かれません。何故でしょう?

沖縄の道を車で走っていると周囲はほとんど皆沖縄ナンバーなんですよね。米軍関係車両が我が物顔に走っているのを別にすれば。
レクサスが一台が「本土」のナンバーを付けて走っているのを見ましたね。
陸続きでない島の暮らし・・・・、

道で「すみません、お尋ねします。辺野古の米軍基地建設現場に行きたいのですが、ここからどう行けばいいんでしょうか?」と尋ねると、尋ねられた方の表情が微妙に揺れる。
けれど親切に、「この交差点を右に曲がってずっと行けばいいよ。」と教えてくれる。

前回、来た時には、ある小さな居酒屋で「明日には辺野古に行きたいんだけど・・。」と訊いたらとんでもない方向を教えられたことがあった。
島の内側には様々な思いが重く潜んでいる。
嘘を教えられたことには腹が立っても、そういう島の人々の分裂やある憎しみを強いているのは「本土」の政治であり我々だと思えば、怒りに任せる気にはなれない。

石垣には最近「本土」からの移住者が増えているのだそうだ。
レンタカーを返す時に近くのガソリンスタンドで給油をしていると、そこで働く若い女性が「半移住というか、移住の慣らし運転です。」と言っていた。
「とてもいいところですよ。住みやすいです。」とも。
石垣島の観光案内の本を事前に購入して、下調べをしていた私ですが、この人々の優しい、しかし断固とした眼差しを「観る」旅になりました。

『島を 心を 売らないで』
この看板を持っておられる方は、『日毒』という詩で有名な八重洋一郎(石垣島出身)という詩人だそうです。
- 2019/11/01(金) 00:00:10|
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