今この人が話しているお相手は「染」がお好きで、京都にも何度も来ておられるというご婦人です。
私がこの職人さんの話を聞きながらケめらを向ていたところに加わりました。

私が低い位置から撮ろうとしたり、あるいはお話を伺うのに立ったままでは「上から目線」になるのでそれを避けるために床に膝立ちで向き合うことが多いのですが・・・・。

その後婦人は私と同じように腰を低くして話に加わりました。
聡明な礼を知る方だなあと思いました。

広島を出て豊田市で開かれている「クリムト展」を見てこちらに来たのだそうです。
クリムト展を見終わったら「もう夕方で、明日はどうしようかしらと・・・・東京に行くはずだったけれど、京都にしたんです。この会館に来て見学もしたかったし・・・。」ですって?!
私とは180度行動パターンの違う方です。何と旺盛な行動力と判断の柔軟さ・・・・その点でも私とはまるで違うタイプの方のようです。

沖縄に行った時には数度この城間工房も尋ねたことがあるそうで「染」についての知識もかなりのもの様でした。
「(染料ではなくて)摩擦などに弱い顔料を使っているのはなぜかしら?」
「確かにそうなんですが、染料は耐光性が弱くて沖縄の強い光では、早く退色してしまうので・・・・。そういう点も含めていろいろ模索中なんですが・・・。」

この工房の職人さんたちが、この産業を主体的にになって「これから日本の人口は減るし、そういう意味で世界的な展開をしないと・・・・。」などという認識もしっかり共有しているのです。
だからこそこうして京都まで琉球紅型の普及のために幾人ものスタッフを高い交通費を捻出して送り出してきているのです。

こういう世代の方たちがたくさん高い意識をもってこの琉球紅型に向き合ていることは「希望」ですね。
京都の伝統工芸よガンバレ!というところです。

私はこの後、先ほどのご婦人としばし立ち話をしてしまいました。
珍しい経験でした。
そしてちゃっかり11月の写真展の宣伝をしますと「じゃあきっと見に来ます。」と言っていただいて
「えっ?!だって広島からでしょう?」と大いに驚いたのです。
宝塚まで音楽を聞きに行く…遠いしなあ
鳥取まで写真を撮りに行く・・・遠いしなあ
ついつい<ものぐさ、出不精モードに陥る私という人間が如何にダメなのかということを気づかされました。
- 2019/09/13(金) 00:00:24|
- 伝統工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0