伝統工芸存続発展のために必要なことの一つは、消費者に対して如何に情報を提供しまた求めるところを引きだすか、そして新たな商品開発のために様々な分野の生産者とのコラボレーションを豊富化・活性化するかということにあると思います。
活用できる資金はどこにあり、どうすればそれを集めることができるか、それも問題です。
そのコーディネートやプラニングがなかなか組織だってできないところに一つの隘路があると感じます。
その鍵を握る人がどうやらこの人のようです。

先ほど海外からのお客さんに流ちょうな英語で説明をされていました。
世界を視野に入れて琉球紅型を広めようと意気盛んです。

この工房の人たちは皆さん「志」を一にしているという感じで、前向きです。
今自分たちにとって何が大事か、何をしなくてはいけないかと共有していることがひしひしと伝わってきます。
こういう集団にいることは幸せなことだと思います。

一企業の利益を越えた普遍的な目標を共有していることのすがすがしさも感じます。

この方の先祖は中国大陸からこの琉球紅型のもとになる技術を伝えられた方なんだそうで、そういう意味でも「自分がやるべきこと」に対する強い思いがあるのだろうと思います。
それにしてもこういうことを聞くといかにも琉球だと感じますね。

中国、韓国、日本、台湾、そして更に広く東南アジアの様々な地方との交易のネットワークの要にいて「琉球国は南海の勝地にして、三韓の秀を鍾め、大明を以て輔車となし、日域を以て唇歯となす。此の二の中間に在りて湧出する蓬莱島なり。舟楫を以て万国の津梁となす」という位置と歴史を見る気がします。

新しい世代が新しい意気込みを抱いて、しかしそれがしっかりと歴史に結びついているとき、力強さを感じます。
- 2019/09/08(日) 00:00:20|
- 伝統工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0