この方の仏像を描いた油絵は、これまで幾度か見せていただいたことがあります。
実に気迫のこもった緊張感のある絵です。そして何よりデッサンに、狂いの無い絵を描かれます。

そのかたが「仏像の尊顔・自画像・家族の肖像」として作品を展示されていましたので、楽しみにギャラリーに足を踏み入れました。
30代40代などの年齢の節目に書かれた自画像にはその時々の野心や卑下、不安や気負いなどが現れていて、とても正直に書かれる方だなあと思いました。
対象に無心に没入するということを基本姿勢にされている感じです。

私が写真を撮らせてくださいとお願いすると、「何時も帽子をかぶっているから・・。」とキャプを被って自画像の方に行かれました。
カメラを向けながら、話しかけていると「あんたは不思議な、変わった人だなあ。」とおっしゃいます。
私が来る前にある水墨画家が来ていて、その人も風体から言動が相当風変わりなのですが、その方の話の流れで言われたのです。

私は凡庸で強い個性がないという自己認識なんですが、どうもそうではないようです。凡庸は凡庸でも「個性がないとか、ごく普通だというのは違うね。」
いつの間にか、こうして写真に撮られて、何度もシャッターを切られてしまう。おかしな空気の人だという事です。
まあ図々しさは多少強くなってきているかもしれません。

見事な仏像群、家族の肖像の生き生きしていること、自画像に真摯なこと・・・、こういう制作態度と手腕の方にそういわれると、ひょっとしたら私もどこか風変わりな人間なのかなと思えてきます。
清水の写真展には是非とも行くからねと言っていただきました。
- 2019/06/08(土) 00:00:39|
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