私が度々通る道なのですが
木屋町通り松原の公算角に見慣れない状景がありました。
閉じていたはずのおうちの入り口が広く開いて何やら展示されているのです。

どなたかが個展でもされているのだろうかと、道の反対側からしばらく観察すると・・・・。
どうもそれは「瓦」を展示しているようなんです。鬼瓦が見えます。

「えっ?! 瓦なの?」
「ええ、岐阜で瓦を作っているんですが、なかなか振るわなくて・・・。」

現在では瓦を葺かない建物が増えていますし、そもそもマンションなどの住む人が増えて戸建て住宅でもないケースが多いわけですから瓦の需要は減少する一方なわけで。
さすがにこんな大きな鬼瓦を一般住宅で使うこともないわけですが、これは寺院への売り込みと、趣味で求める人もいるだろうということで・・・。
和式の庭を作っているお宅では、その庭にこうした鬼瓦を設えるのも一つの手ですからね。

ここの瓦職人さんでは、仕事が順調な方もおられるでしょうが、その産業全体として右肩下がりが続いている事実は否めないわけで・・・。
京都の職人さんでもそうですが、何とか需要を増やそうと様々に工夫はするのですが、それがバラバラな個人の努力になっているのですね。
「それで、販路を開拓したり、販売戦略を練る専門の役割を担う人がいないといけないんじゃないかと。 それで私がその役割を担うことにしたのです。」

それで数人の職人さんの期待を担ってこうして展示販売を始めたのだそうです。
この人自身が瓦制作の職人なのですからなかなか思い切りましたね。

京都には寺社も多いし日本庭園を・・・・坪庭としてでも・・・持つ御宅も少なくないわけですし、そこに可能性はあるでしょう。
でもそこに食い込むためには、既に京都の職人さんが築いているネットワークに食い込んでいかねばなりませんね。それはなかなか難しい挑戦になるでしょう。
京都の要求は高いですしね。

他方、町屋はどんどん減っているし、代わりに立っている民泊では瓦ではない新しい屋根建材が目立ちます。
目につくところには軒丸がわらなどで飾っていますが。
それでストラップの飾りなども工夫しています。
この鬼瓦の制作者は、相当な腕前の方のようですね。 ご高齢の方だそうです。
そういう方もこの人に期待しているのでしょう。 というか、こういう活動にご自身お優れて制作物を提供されることで励まし支援しているのでしょう。

手作り市などにも出して、マーケットリサーチをしてみたらというようなお話もしてみました。
写真にはありませんが、よくできた鍾馗さんも飾られていました。
関心を呼ぶといいですね。
- 2019/04/21(日) 00:00:04|
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