京都造形大学には通信制過程があり、若い人もかなりの年配の人も学んでいる。 すでに絵を描く経験を積んだ人も、リタイアしたから絵を描けるようになて見たいと学ぶ人もおられる。
だから学んでいる間は異年齢の学友ができる。これがなかなか楽しくも意義があるようです。
それで、18か19かで入学した大学生活の時とは違った、なお濃厚な充実したお付き合いが生まれるようです。

その通信制を動機で卒業した人同士や、また先輩後輩同士でその後に『絵を描く』ことを共有したお付き合いが長く続くことが多いようです。
それは羨ましいつながりですね。

ギャラリー・マロニエの5階では陶芸の、この4階では絵画のグループ展がされていました。これは打ち合わせの上でそうしたわけではなく、たまたまこうなったのだそうです。
5階では以前もお会いしたことのある鬼束氏の作品にも触れてきたのです。
以前お会いした時にも写真を撮らせていただいたのですが、魅力的なお顔をしているのでまた撮らせていただいたのですが、他に女性4人の出品者もおいででしたので時間をかけてはいけない、お邪魔をしてはいけないというまともな神経が働いてしまって、どうも思うように撮れなくて終ってしまったのです。

そういう残念な心持を抱いて一つ階を降りてきたのです。それで一通り絵を見せていただいた後で、来ましたよの名前を書いて帰ろうと、この方おいでになったのです。
それで絵のお話を少しだけして、この残念な気持ちをつい口にして、しかも「今年に入って少しも女性が撮れないんです。」なんて実に不躾な、無遠慮なお話をしてしまったのです。
私が振り返った刹那な「この人はいい。」と直感したためです。

これくらいのお年頃の女性に撮らせていただく機会は本当に少ないですし、そのこともまた私が失礼を顧みない言葉を口にした原因でしょう。
それで、驚いたことに「ではどうしましょう。」と「突然ですし、こんなことを頼まれたことはないので戸惑います。」とおっしゃりながら、私を不憫に思ったのでしょう、カメラに収まってくれました。

このロケーション、このシチュエーションでは、どう撮りようもないわけなんですが、そこもご容赦いただいて撮らせていただきました。
年長者は大切にしなくてはいけないというお考えがあったのか福祉マインドの高い人であったのか・・・・改めて私がなぜ人を撮り続けるのかの理由の一つが確信できたというわけです。

播磨の国からおいでなんだそうですが、なんと清水寺にも見に来てくれるとおしゃってくれました。
他人に優しい方なんですねぇ。


「社長、困ったことですなあ。」「なにが?」「なにがやありませんがな。消費税ですがな。10%。」「何言うてるんだね、君は。消費税が10%になるんはずっと前から分かっとることやないか。対策は十分なんだろうね。」「社長、お忘れですか?この前の8%の時。」「忘れへんよ、忘れるわけあらへんがな。増税前の駆け込み需要とかで一挙に需要は増えたがな、それでわが社も大いに売れて、わしゃそれで工場拡張まで考えたんや。それが、増税後にはまるで潮が引くように一挙に売れんようになって…。」「そうでしたやろ?!」「そうでしたやろやないがな、君。あれから苦節5年。ようやくやで、ようやく元に戻れるかどうかというところまで回復したんや。」「そうですわ、社長。お互い頑張ってきましたなあ。」「そやで、リストラで多くの従業員には辛い思いさせてきた。残ったもんにもコスト意識もて~っ、生き残りやぞ~って発破かけてきたがな。わしかて苦労したんやで、辛かったんやで。」「分かります。社長のお気持ちはわてらもよ~わかりま。そやから先ほどから困ったことですないうとるわけで・・・。」「きみ~、困りますいうだけではどんならんがな。そこで何とかするんが経営努力やないか。」「そうは言いますけど社長。またあの反動の買い控えの波が来るんです。それも一か月や二か月でなくて・・。」「あのな、君。消費税アップも今度で4度目やで。わしらもそこは賢くならんといかん。ちゃんと対策たてんとな。」「ちゃんと対策と言いますが・・・。」「買い控えの前に駆け込み需要があるんやろ?!」「そうです。」「その時あんじょうもうけさせてもらったらいいやないか。需要が多くなるんやさかい、ただ増産というんじゃなくして価格を上げるんや。それでその後の景気後退の分を先取りしてけばいいやないか。」「それはそうですが・・・。消費税アップが国民の評判が悪くて「値上げ感」が強くなってはいかんと「便乗値上げ」するなというのが政府のお達しで・・。」「君ら、そんなことでどうするねん。わしら経営者はなあ、だてに自民党に献金してるんやないで。わしはこの前の代議士先生のパーティーできちんとゆうたがな。今までのように消費増税不況が来るようなことならわしら経済界も消費税には賛成しまへんで。自民党とは他の事ではほとんど変わらんけど消費税についてはちょっと控えめな党は他にもありますさかいな。今度は考えるかも知れまへんてな。」「さすが社長デンなぁ。だてに高級車に乗てってるわけやおまへんな。」「君、何言うんや。」「けど、それだけではどうにもなりまへんですやろ。」「そこやがな。『便乗値上げ』たらいうから変に聞こえるんや。需要が増えるんは人がものを欲しい欲しい言うてんねんから、多少値上げしても売れるチャンスやということはこれはもう市場の常識やないかとね。経営の常識、資本主義の当然やとね。その資本主義の自由を国の政策的で曲げるんはどこぞの一党独裁の国と同じやないかとせまったんや。」「社長やりますなあ。」「君らなあ、そんなに呑気に感心してるだけじゃ管理緒職手当だしてる意味ないで。」「いや、まあそれはお追従してるだけですさかい。」「今何か言うたか? それでな、きみ。代議士先生がやな、それはその通りだねぇ。ちょっと研究してみるよなんて・・・。だから安倍相首がヨーロッパでは消費税で景気が大きく変動しないように増税直前に値上げするのが当たり前になっている、増税後もその高価格を維持するのがいいなんて言うてくれてるんやないか。わしら財界がちょっと声をかけたらちゃんと動くんや今の政府は。君らはちゃんと『国営放送』を聞かないかんよ。」「でも理屈がようわからんのですが。」「なにがや。」「増税前に駆け込み需要が増える。その分増税後に消費が冷え込んで景気が悪くなる。」「そうや。だから増税前の需要増を抑えたらええんや。そうしたら増税後の需要減は起こらん。」「なるほど、我々が価格を上げるのは皆が買いに走らんようにするブレーキちゅう訳ですか。国の経済の安定のための尊い値上げですな。つまりはお国のための値上げちゅうことでんな。」「そうや。決っして『便乗値上げ』たら卑しいもんやない。堂々と値上げしたらいいんや。政府かて奨励しとる。それで値上げしたら増税になった時のプラス2%かて増えるんや。ますます歳入増やろ。」「しかも日銀の黒田はんの言うてはる2%のインフレ、デノミ脱却も実現できるかも知れまへん。そうなればアベノミクスバンザイいうことも言えますなあ。」「せやけど、分からんなぁ。」「なにがや。」「駆け込み需要がヒートアップせんように価格を上げる。そうなると増税後の2%アップがいややさかいに今のうちに買っとこいう人は、増税前には価格アップの商品を買わんならん。それが嫌なら価格アッププラス増税の商品を増税後に買わんならん。まさか増税後は価格をもとに戻すなんてことは・・。」「無論そんなバカなことする企業はあらへんがな・・。どこにそんなあほがおるかい。」「結局、国民としては駆け込み需要抑制の価格アップとその後の増税とダブルパンチになりますやん。」「おいおい君はどっち向いて話しとるんや?」「えっ?!なんですか?」「なんですかやないで。わしら経営者やで。儲けてなんぼ。株主にあんじょう配当するんが仕事なんや。それで会社の評価を高めんならん。そうせな我々の首が危なくなるんやで。安倍さんがいい総理大臣やいうのはちゃんと企業が世界で一番稼ぎやすい社会にする言うてくれてる、そこやがな。」「増税してもそれを全部還元するくらいの政策をするなんて言うのも要するに値上げと増税をうまくやるための煙幕や言うことですな。」「そうや。安倍さんと二人三脚の麻生さんかていうとるやろ。ナチスみたいにうまくやろう。むしり取られているのが分からんように取るのが一番なんやと。」「なるほどなあ。」「なるほどやないで、君ら。ちゃんと世の中を見て、情報を間違えんように掴まな、生き残っていけへんで今の世の中。安倍さんはわしらのために頑張ってはんねん。サインを見のがさんようにがっぽり儲けるようにしな、何のために高いパーティ券買うて、党費収めて、会社や系列のみんなの票を取りまとめてるんか分からんやないか。」「そうでんなあ。」「そうでんなあ・・て。君ら大丈夫か?!」「はあ、でも私は少々・・。」「少々なんやねん。」「少々心配なんですわ。」「なにが?」「国民が皆そんなやり方に誤魔化されてるようで、そういう国民に働いてもらっているわが社は大丈夫ですやろか。それにいつまでも国民がそんな誤魔化しに騙され続けるんですやろか。ここまでむき出しに企業と政府の税収本位の政策をして怒りを買うて安倍自公政権が倒されでもしたら…。」「何をばかなことをいってるんだね、君は。そんなことは起こったとしても何年も先の事じゃないか。我々は明日あさっての株価の事を考えたらいいんや。君は80歳までこの会社でその椅子に座っているつもりか。もう数年したら退職金をもらって悠々自適の生活を送れるんやで。そんな先のことまで考えることあらへ。」「う~ん、それでいいんかなあ。孫の時代はどうなるんかなあ」「さあ、そんな青臭いこと考えとらんで、この際一挙に20%くらい値上げしておく方法を考えよ・・・。」
- 2019/03/30(土) 00:00:44|
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