対岸からサックスの音が聞こえて、自転車をこちらに走らせてきました。
演奏している人を見るとまず撮りたいなと思うので近づくのです。ですが、どの方であっても撮るということにはなりません。これを正直に言えばお前は不遜だと言われるに違いないのですが、やはり選ぶという気持ちが働きます。
音を聞くと「まだまだ初心、入門の域だな。」と聞こえる方もいるし、絵になりにくいなと感じる方もいます。
「近寄らないで!声をかけないで!」感が一杯の方もいます。

ここ2,3か月女性をまるで撮れないので女性が演奏していると「撮りたい!」と思うのですが、そういう理由でパスすることもあるのです。
無論、男性もですが、そういうわけで闇雲に撮るということにはならないわけで・・・。

この方は台湾のご出身で、就職してしばらくしてからこちらの大学の院に来て学んでいるのだそうです。
あまりお上手なので「プロの演奏家ですか?」とお訊ねしたのですが「いいえ、楽しみに弾いているだけです。」とのことでした。
でも中学でこの琵琶に出会ってからずっと弾いておられると言うことですから、もう10余年間は弾いていることになります。

台湾でも伝統楽器を弾く人は減少傾向にあって「西洋の楽器」が広く演奏されているようです。
「ちょっと残念ですね。」

筐体の上面は指先が触れるせいでしょう、擦りへって浅い窪みができています。
ずいぶん弾きこんでいるようですね。

ようやく暖かくなってきたのでこうして外に出てきて弾けるのでうれしいとおっしゃっていましたが、外国から来て一人学ぶ生活の中で楽器を楽しめるのは大きな癒しになるのでしょうね。
以前、海外出張の多い仕事をしておられたという方も、・・・その方はサックスでしたが・・・・楽器を楽しめると辛さも寂しさも忘れられるし、地元の人との交流もできるからいいねと言っていました。

台湾は日本より緯度が低くて亜熱帯から熱帯モンスーンの区域にあるわけですが、「京都はとても寒いですね。」は無論ですが「京都の夏は暑いです。」と盆地特有の暑苦しさ、過ごしにくさには閉口されているようでした。
同感ですね。

今度の清水寺での写真展の際にこういう方に軒下コンサートをしていただければ中華系の方にも関心を持ってもらえるのになあという思いがあったのですが、残念ながら清水寺にはお許しいただけなくて・・・。
とにかく音を出すと重文の建物に響いて微妙にずれが生まれるからよくないということで、残念です。


こんないい演奏はより多くの人に来ていただきたいなあと思いました。
- 2019/03/25(月) 00:00:47|
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