街を自転車で「巡回中」・・・、
左官屋さんが仕事をしていました。 通り過ぎるときに少し自転車の速度を落としてその様子を見ると、コテを動かすその様子が実になめらかで手際がきれいなのです。
それでしばらく背後から眺めていて、手の止まった瞬間をとらえて声をかけさせていただきました。

この道50余年の大ベテランさんだそうです。
「小学生がよく立ち止まって見ていくよ。モノを作っているところに興味があるんだろうなあ。」
私も同じです。

コテは握るのではなくて指に余裕をもってつまむようにしているんですね。
この手首の返し!!
壁をなめていくようなコテの感触です。

何度か重ねて塗るけれど最後はガラスの表面のようにつるっつるに滑らかになるそうです。
手首、ひじ、かた、そして腰、脚、背中など体全体が連動しています。
そして壁に接するコテの面と壁面に微妙な角度をつけて、時には平滑に沿わせているのですね。

「コテ絵」というのを知っているかと聞かれました。
寡聞にして知りませんでした。 こうしたコテを使って壁にレリーフ用の絵を描くものだそうです。
ご自身が最近仕上げたある民泊の家紋の作品を見せていただきました。むろんスマートフォン上の画面でですけど。
かなりの技術がいるようです。

私がリタイア後にこうして写真を撮って歩いていると言いますと、「70を越したけど辞めさせてくれへん。」とおっしゃっていましたが、この元気さと腕の良さではお客さんが離さないでしょう。
「現役」そのものの輝きです。

本来はここから一軒置いたお隣のお店の仕事をしていたのだそうですが「ついでにしてくれへんか。」と頼まれて受けた仕事だそうです。
仕事を仕上げて、ちょっと一休み。
電信柱を背に腰を下ろされましたのでようやく正面をからお顔を拝見でしました。

そのお顔が良い仕事、良い人間関係、良い生き方をすべて見せてくれるような素敵な笑顔でした。
このように笑顔の素晴らしい人にはめったにお会いできるものではありません。
笑顔、天下一品 です。
- 2019/03/21(木) 00:00:23|
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