国産の生糸にこだわってモノづくりをされている方々の展示会がありました。
その主宰ともいうべき方がこの御仁です。
14代目塩野屋当主さんです。

展示会場に入ると、自ら私に近づいてきてくれていろいろなお話を聞かせてくれました。
塩野屋さんによれば今や国産の生糸の自給率は1%にも満たず0.5%程度だという事です。
そもそも桑畑自体がほとんど見られません。

そんな生糸の現状を憂いて桑畑の存続継承に努めておられ、桑の木の植樹にも貢献されています。
桑の木オーナ-図倶楽部も立ち上げて、桑や蚕、絹糸などについて広く知ってもらうとともにに桑の木栽培を復活するように努めておられます。
そのあたりの事情は「織道楽 塩野屋」さんのホームページからご覧ください。

大変重い病にかかられて、そこから回復する過程で生きることの意味の捉え方などに大きな転換があったというお話でした。
ご自身の自覚としてはまだまだ回復は道半ばだという事です。確かに発語などに幾分の障りがありますが、とにかく表情の生き生きしたこと、話の力強さに圧倒されました。

顔はその人の魂を映し出すヒントを持つとおっしゃり、また、今後も何人もの人の「命の写真を見せ」よと言ってくださいました。
個展の開催を知らせればおいでいただけるそうです。
「命の写真」とは本質を突いた言葉だなあと思いました。

簡単に請け合うことができそうにない重い言葉ですが、人を撮る写真というモノに意味があるとすれば、それを表す言葉の一つが「命の写真」ということになるでしょうか。

重たくなりすぎず軽妙にそういう写真が撮れたらいいなあとも思います。

私自身が軽いですから、その点はどうしようもないですからね。
ただ、やはり写真をそういう視点で見てくれている方がおられるということはいくらかは私のマジメを引き出す契機になるとは思います。
- 2019/03/07(木) 00:00:24|
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