仏壇は工芸の粋を集めたモノとも言えます。
この方は木彫をされています。

話しかけますと「以前、撮ってもらいましたよね。」という声が返ってきました。
いや、実は話しかける前に、私の記憶はあいまいで確信をもって「以前にもお願いしましたが・・・・。」と言えなかったのです。困ったものです。

こういうことがこれからますます増えてくると思いますが、最初の時に失礼のないようにお願いし、気持ちを入れて撮らせていただくことがとても大事だなと思いました。
そうでなければ、二度目にお目にかかった時に眉を曇らされては決して撮影などお願いできるものではありません。

こうして以前撮らせていただいた方が、どんな声で、どんな言葉で私とやり取りするかによって、そのお隣におられる方の受け止め方が違ってくるのは当然です。
幸いそれほど悪い印象を残さないでいたようで「どうぞ。」と快く撮影をお許しいただけました。

椿の浮彫の部分は別の部材をあらかじめ削って、それを板に貼りつけて凹凸を強調するのだそうで、そうすることで「コストも軽減することになる」のだそうです。
この彫が済むと漆で仕上げるのだそうですが、そうなればもう全く一枚の厚い板から削り出したようになるとのことです。彫った時点ですでにほとんどの人は分からないだろう、そこに自分たちの技術があるともおっしゃっておられました。
いわば舞台裏のようなそんなお話も聞かせていただけます。
2倍の厚さの上質の部材は値を上げてしまいます。 こうすれば価格的に幾分でも手に取ってもらいやすくなるとのこと。それでも少しも見劣りがしないものを作り提供したい、そういう職人の心意気でしょう。
- 2019/02/28(木) 00:00:06|
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