この人は祇園祭の長刀鉾の浴衣の図案を、もう4年も描いているのだそうです。
今年も依頼されているので「かなりのプレッシャーです。でも名誉職ですから、有難いです。」と。
祇園祭の長い歴史にご自身の仕事が入るのですからすごいことですね。
しかもお稚児さんが乗る長刀鉾ですから一層注目されます。

周囲の目も気になるそうです。
そりゃそうですよね。
各鉾、山ごとに町の威信にかけて浴衣を出すのですし、鉾や山に乗ってお囃子をする人も、またそれを曳く人もこの浴衣次第で誇りにも思い、意気も上がるでしょうからね。

1年おきに浴衣の意匠を変える町もあれば、長刀鉾のように毎年変える町もあります。
先ほど書いたように「お稚児さん」が乗る特別な鉾ですから、「毎年新たにしてお稚児さんに失礼の無いようにする」のだそうです。

この方は業界では若手です。
お父上も下絵をされていてその跡を継いだそうなんですが、今後についていろいろ思うところがあるようです。
「伝統」工芸がただ古いものであっては生き延びられませんしね。
基本的に伝統工芸もあくまで「生業」だということが大事な点です。

どうしたら現代、未来に息づけるかという事、それを探求せねばなりません。
そうでなければガラスケースに入ってしまいます。

お互いに以前お会いした記憶が戻りましたから、打ち解けて入りいろなお話を伺えましたし、なんというかこの方の覚悟のようなものも伝わってきました。

私にできることはレンズを向ける≒注目することしかありませんが、応援していきたいと思っています。

- 2019/02/08(金) 00:00:18|
- 伝統工芸
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