福島には和紙で作った郷土人形があるそうです。
その和紙の「木型」を作っておられます。

この木型に濡らした和紙を貼り付けて、それが乾いたら小刀で切れ目を入れて張り付けた和紙をはぎ取り、再びそれを膠で接着し、彩色したり小道具を持たせたりして完成させるようです。
紙を木型からはずす時に切れ目を入れるのですが、紙を貫いて小刀の刃が木型に達してしまうのです。それで長年の内には深い切り込み=溝ができてしまいます。

そうして傷ついて役目を終えたもとの木型に倣った新しいものをつくろうというのです。

私が思うのは、写真を撮るには被写体が美しくないと、あるいはまた豊かな魅力を持ち、強い力を持たないと始まらないというなという事です。
つくづくそう思います。

それで、時々ここをお訊ねして、こうしてお仕事のお邪魔するわけです。
被写体の持つ密度に触れて自分の軟弱・曖昧になったものを賦活させようという他力本願です。
長年にわたって役割を果たし続けてきた木型が、じっと高橋さんの手元を見上げています。

高橋さんはそういうことを深く感じられる人です。
こうしたモノづくりの気迫に相応しい写真てどういうものなのかなあと・・・・思います。
- 2019/01/26(土) 00:00:18|
- 工芸
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蒼樹 さんこんばんは~これも私には真似できない芸術家のセンスが必要なお仕事ですよね~ただ素晴らしいなぁと感嘆してしまいます。集中力と創造力がないと作り上げられないピ-ンと張り詰めた緊張感みたいなものも感じますね、何ミリも失敗ができないみたいな感じからくる緊張感、それも私は、苦手です。大雑把に生きてきたものですから(笑))
- 2019/01/28(月) 02:25:44 |
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- たまごバナナ #-
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職人さんの仕事にも芸術的なセンスが不可欠ですね。でも職人さんの多くはそれを特に橋梁はしないことが多いようです。でも勉強されています。そのうえ、制作の精度や作法が現実的な力として身についていなくてはなりませんから、やはり相当高度な世界ではありますね。いつも張り詰めた空気を感じます。でも合間には結構緩く話すこともあるんですよ。
- 2019/01/28(月) 09:35:47 |
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- soujyu2 #-
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