対照的な絵を描くお二人が並びました。
右の女性は数を数えながらぐるぐると腕を回して円を幾重にも書き続けています。
左の男性は長年培った人物デッサンの力を発揮して、どうやらアダムとイブが蛇の甘言に誘われてリンゴを食べる直前を描いておられるようです。

何をもって抽象というのか。抽象画と、具象画の境目は私にはよくわかりませんが、
まあ素人の常識をもってすれば具象画と抽象画が並んだと見えます。
面白い競演ですね。
左の男性はずいぶん以前に写真を撮らせていただいたことがあります。

お二人とも木炭で描かれているのですが、壁の表面にサンドペーパーのような凹凸があって、あっという間に木炭が消費されていきます。
壁の付着した木炭と壁に削られて粉になって床に落ちた木炭とどちらが多いのか測ってみたくなるような状景です。
ま、、ここは町中なので少し走れば画材は手に入りはしますが。
「107,108,109・・・・・。」
アレ?! 年も押し詰まっているので「除夜の鐘をついて振り払う煩悩の数」だけ円を描いて、何か意味を込めるのではないのかと予想したのですが外れました。

108回腕を回すのも結構大変だろうと思うのですが「203,204,205・・・。」と続いていくのです。
そのうちに「1年て何日だっけ?」と。
同じ漢字を何十回と練習していると「あれ?ここはよく線が2本だっけ、三本だっけ? 何か丸という字に見えなくなったなあ。」なんてことがありますよね。
どうやら「365回」円をお描きになるつもりのようです。
それでこのギャラリーが22年続いてきたので「右下にでも×22と書き入れたらどうですか。」なんて余計なことを言ってしまいました。

こういう情景はめったに見られるものではありません。
面白いなあ。
こういうの大好きです。

床を汚さないように敷いている養生のビニールシートに左の男性は靴を脱いで上がり、右の女性は履いたままです。
服についての意識が男女で違うせいもあるのでしょうが、アトリエでも違いがあるのでしょうか。

右側の男性も美術家です。
絵も描きますが造形もしますし・・・・。
- 2019/01/12(土) 00:00:20|
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