着物の生地にどこにどのような絞りを施すのかをマークするために型紙を作っているのです。
本びった絞りなどを施す場所は直径4ミリほどの円形の点を記すのですが、この型紙にそういう穴をあけて、のちにこれを生地において後で消すことのできる染料を塗って、痕をつけるのです。

印はこうしたドットだけでなくて、線状に入れるところもあり、そこは糸で袋状に絞り上げるところを示します。
絞り上げたところには染料が染み入らないようにして水鳥や花の絵柄を抜くのです。

このドットのところは生地をつまんでその胴部を糸を三周(?)巻いて縛ります。するとつまんだ頭は糸に覆われていませんのでぽつんと染まります。中心が小さく染まった小さな白い花のような部分ができるわけです。
本疋田という絞り方は12周もまくことがあるそうですが、今この技術を現役としてできる人はいるのかいないのか・・・。

この仕事は40年ほど続けてこられているという事です。
「伝統工芸士」であり、「京の名工」でもあります。

弟子を採るとその弟子となった人と弟子を採った人に助成金が出るような制度があるのだそうです。
そうでもしないともうこうした技術は途絶えてしまいます。
最近若い女性がある人のもとに入ったので、周囲の人がよてったかって教えているそうです。
貴重な跡取りです・・・それはある指標の弟子というより業界全体の弟子=宝ですから、皆が惜しみなく教える気持ちなんだそうです。

昔の職人は弟子にさえ技術を教えず「盗め」と言ってきたわけですが、そんな悠長なことは言っておられないわけです。
もはや本当に時間との競争なんですが、本当は一人や二人の弟子ではとてもこの高い技能は受け継がれていけない訳です。
生命の種でもある限界を超えて減ってしまえば種の保存はできなくなります。

同じ分野に競い合い励まし合う様な同業者がいなければ技能は保たれません。
その意味でもはや限界を超えてしまっているかもしれません。

もっと高校や美術系大学などにリクルートをかける工夫が欲しいでしょう。量的にも質的にもとても足りません。
モノづくりの好きな青年は少なからずいるのですから。

職人さんたちはどこにでも出かける気持ちをお持ちなのです。ですがそれを結ぶコーディネータがいないのです。それこそ行政の仕事なんでしょうが、行政待ちでなく業界団体が真剣に取り組むべきでしょうね。
就職担当の先生方に資料をおくり説明会を開き、学校現場まで出かけるべきです。
この方たちがお元気なうちに。
日経平均株価が700円余りも下がり一時は1万9500円ほどになりました。為替相場も1ドル107円とじりじりと高くなっています。アベノミクス(というものがあればの話ですが)の狙いの一つは円安と株高です。安倍・黒田体制で日銀は株を買い支えて株価高を演出し、いわゆるゼロ金利政策でも株価を支え、輸出を後押ししてきました。が、ここにきてその劇薬も効果が無くなってきたようです。こうなると自律的な円安・株高ではなかったわけですから・・・つまりはドーピングして記録を上げていたわけですから・・・日本経済の実力、真の姿が露呈するわけです。一般庶民の実質所得が減り続けて、購買力が減退・停滞しているのに「景気が良い」「景気が良くなっている」という様な事を平気でいってきた経済官僚や学者がいますが、そういう人たちは今から言い訳の準備をしておいた方がいいと思います。
ドーピング薬でも麻薬でもとにかく、今現在株価が高ければいい、今現在円安で輸出ができればいい、今現在財政出動のための(公共投資)税収があればいい=消費税8%→10%という訳で、禁じ手のゼロ金利政策と日銀の国債買い入れをし、国民の購買力を削って消費(国民の所得を企業に付け替えて)を抑えてしまってきたわけですが、それらは結局一時的なカンフル剤政策であり、また『後は野となれ山となれ』政策でしかないわけで、それらの付けは今年以降、劇的に国民生活破壊の形ででてくることになります。それに対処すすための方策をその方策を使うべきでない時に既に使ってきていますから、もはや処方箋は安倍自公維政権の薬篭にはありません。
(24時間働ける飲料を処方して働かせてきたうえでは48時間働ける薬物を処方するのはもう無意味です。そうではなくてしっかり8(7)時間労働制を守って、アフターファイブに人として健康で文化的な生活の高まりを作る方策に転換しなくてはなりません。)
東京オリンピックも大阪万博も劇薬の一つですが、それはもう織り込み済みで円高・株安が進んでいるのですから、いかに日本経済が追い詰められているかという事です。
一方で経済成長を可能にするためにはこれから大いに成長する東アジアやアセアン諸国とのウインウインの貿易取引関係を育てなくてはならないのに、肝心の韓国や中国との友好を常に傷つけて国民同士を離反させ続けています。自ら再生のチャンスをつぶしているわけです。これはイデオロギーの問題ではなくて、経済の、金勘定の問題としてもそうです。
株価は一時的にはいくらか戻すと思います。しかし、昨年秋頃からのこの激しい乱高下に多くの株主は肝を冷やしていることでしょう。そして最大株主の日銀こそ青ざめているのだろうと思います。一人の株主が自己破産するのは、それはまさに「自己責任」であってご愁傷さまとしか言いようがないですが、日銀の破産は日本国の破産ですから仕方がないねぇではすみません。私たち国民の財産が一挙に失われ、また経済が大混乱になるのですから。
円高は安倍氏の頼りにするトランプ政権が望んでいるのですから、日米同盟に自ら心酔して他の事を考えられない安倍政権ではどうにもならないでしょう。
財界の思惑は、ハイパーインフレ政策とか消費税20%とかで一気に帳消しにするか、かつてある大阪経済界の重票がいったように「戦争でも起これば」という道でしょうか。
こういう経済政策の失敗が政権に対する批判につながらないようにするために、もし処方箋が安倍自公維政権にあるとすればそういう難題から国民の目をそらすための大事件の演出という方策でしょうか。そのためには東アジアに常にいつでも使える緊張の種を育て続けなくてはならないという悪魔のささやきです。
そのためにも辺野古基地の建設があるのでしょう。
2019年はことのほか厳しい一年になるのではないか、私にはそんな気がします。
- 2019/01/05(土) 00:00:43|
- 伝統工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0