元来東北地方で作られていたものだそうです。
冬の東北では仏前に備える生花が手に入らなくてこうして絵柄を施したろうそくで代用したモノと言われているそうです。
それが京都に取り入れられて一層装飾的なものとなったようです。

和ろうそくはハゼの油分などから作られますがすすが少なく、炎に微妙な揺れが生まれて、独特の風情があります。

一層需要を喚起するために仏事とは違う世界にも広がっていきます。
今はクリスマス前ですから、サンタクロースやトナカイが見えます。神も仏もあるものか・・・ですね。
まあ蝋燭、キャンドルは同じことですからいいんじゃないですか。

この方は絵付師さんです。
着物のための下絵を描かれますし、元来はそちらの仕事だったようです。
今風に言えばピュア美術の日本画家さんたちも着物の下絵を描いたり清水焼の絵付けもして口に糊してきたのです。
『絵が描ける』ことでいろいろな世界でその腕を生かせるというわけです。
下の写真では、変わった動作をしていますが、これは筆の軸のお尻から息を吹きいれて水を含み過ぎた筆の先からその水を吹き出そうとしているところです。

紙や布といった平面に描いていた方がこういう円柱状のものに絵を描くのは初めはとても戸惑うそうです。
それはそうでしょうね。 水平線を描く、斜めの線を描くと言おうことを想像してみれば、私ならきっと蝋燭からはみ出てしまうか歪んでしまいます。
例えば扇面に絵付けするような仕事も日本画家はしますが、この形状の中に落ち着きの良いように絵を構成するのも難しいですし、扇の軸によってできる凹凸を計算に入れて・・・例えば山の頂点に人の目が来ないようにするとか・・・・書くのもまた和難しいわけで ・・・・・。

サンタクロースの帽子の縁にあるモコモコも絵の具を上手に持って単に絵柄というだけでなく質感も表現しています。

どの道も易しいということはないようです。
- 2018/12/19(水) 00:00:09|
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