京友禅です。
図柄の輪郭は糊で防染されています。糊の主原料は米です。

天井にある室内照明用の灯りが黄色いので「ホワイトバランス」の調整が難しいです。
しかもそこに背後から自然光が射しこんでいますから、室内灯に合わせ切ると背景がぐんと冷たい青になります。
フォワイトバランスについては誰かに教えてもらわないとダメのようです。

今度若いカメラマンに教えてもらいましょう。
ただこうして色かぶりをしているのですから染料の色調整にも影響が出るのではないかと心配します。
手元の明るさは十分なんでしょうか。

京都や金沢など伝統工芸の盛んな府県でない場合だったら「伝統工芸士」に認定されるほどの人なら、下にも置かない待遇をされるんじゃないかと思います。が、ここでは予想外に粗雑な扱いです。・・・・あまりにも厚遇すると考え違いをする人が出てくるかもしれませんが、というようなことではないと思います・・・・
先日、 型紙彫刻師で京の名工であり、伝統工芸士だった和田 則昭さんが亡くなられたと奥様からお知らせがありました。
型染め友禅の型を彫っておられたのですが、その先行きに見切りをつけて、その技術を生かして新たに「型紙彫刻師」の道を切り開いてきた方です。
昭和15年のお生まれでした。享年78歳。早い死でした。
夏前にお会いした時には肌つやもよく「昼でも一緒に食べよう。」と誘っていただいていたのに・・・・・。
和田さんをネット上で検索していただくと紹介記事が出てきますが、そこには私が撮らせてもらった写真が使われています。気に入っていただいたものです。
和田さんをはじめとして京都の職人さんたちには温かく迎えていただいてきました。
ほとんどの方が快く写真を撮らせてくれました。
さて、この方がお使いのモノは片歯刷毛というものです。 斜めにカットされた刷毛の先の片方に染料を、反対の端に水を含ませてぼかしたり、グラデーションの表現をするものです。
斜めに切った鋭角の方を使えば、糊をおいた鋭角の線の隅にまで神経の行き届いた色のさし方ができます。

翻訳機があったらなあとおっしゃっていました。
観光で来られる外国の方もかなり専門的な興味を持たれる方がいます。
お互いにもどかしい気持ちですね。
せっかくこうして伝統工芸士が実演をしているのに、それを本格的に生かそうとしていない施設の姿勢・京都市の姿勢。

最初に和田さんにお会いしたのはこの階の下にあるトイレを出て来た処、狭い通路の前でした。
そこはここよりも暗くて冷たい感じの場所でした。
私が、職人さんをこんな風に遇するような京都の文化では観光客がいくら押し寄せてきてお金を落としていったとしても京都は滅ぶと勝手に腹を立てて嘆くのを、まあまあと言いながらいろいろなお話を聞かせていただいた日を思い出します。

私にできることはこうして職人さんを注目することぐらいしかないなあと思いながらこの日もレリーズしていました。
- 2018/12/04(火) 00:00:07|
- 伝統工芸
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