皆さんは神社に行って神様を呼び出したことはおありですか?
ほら、あの太い綱を揺さぶって大きな鈴を鳴らすでしょ?! あの太い綱には房が付いているでしょ。そしてその房と綱の間には円柱型のものがあったのを思い出しませんか。あの編み様のもので包まれた円柱をこそ今作っておられるのです。

大相撲の土俵を囲む柱があり、屋根が下がっていますね。そして四隅には青房や赤房が下がっています。
あの房にも木をくりぬいたこういう円柱形の筒が入っているのです。 この方の作ったそれが。

「ご主人の作ったものがいまあそこにぶら下がっているの?!」
まあ、京都というところは、どうもそういうところなんですね。 時々本当に驚きます。

わざわざ手を止めていろいろな制作物を取り出してお話をしてくれます。
「忙しそうなのにすみませんねぇ。」「いや一日中ずっとこの仕事してたらシンドイし。ちょうどいいんや。」
手前にある機械はもう一部壊れていて、「わしがやめればお終いやから、わざわざ直すこともできへんしなあ。」

およそ丸いものは何でも削ると、そうおっしゃいます。
削るための道具も皆ご自身で研ぎ、場合によってはご自身で作ります。
自分に合ったものがいいという事もありますが、そういう道具作りの職人もいないのです。
たくさん揃えられた道具を受け継ぐ者もいません。

この手のたくましさからは到底80歳を超えた方とは思えません。
しかし、本当にご苦労様でした。

「おやめになった後、これを必要とする人たちはどうするのでしょう? 困るでしょうねぇ」
「まあ、困るやろねぇ。 そう思って続けてきたんやけどなあ。」
皆さん、これからどうやって神さんを呼びますか?
- 2018/12/03(月) 00:00:51|
- 働く人々
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