私の記憶では以前に一度撮らせていただいている方だと思います。
金彩職人で4代目。

なかなかこの人の世代の職人を見ることはありません。
代々継いだ仕事だから得意先もあるでしょうし、いろいろな道具もすでに整っている。それに何といっても師匠が目の前にいる・・・だからこそ従事できるのでしょう。

全く縁もない世界から若者が飛び込むにはハ-ドルが高すぎるでしょう。
年配の職人さんも弟子を採りたがりません。 自分ひとりの仕事量は確保できても、弟子にやらせるような水準の仕事を一定量確保することは難しいからです。
そうなると給料は払えませんし、仕事を覚えさせることもできません。

学校で一通り勉強しました・・・・ではとてもやっていけないのが職人の仕事です。
そして金彩ならどこの家でも同じ材料、同じやり方でしているかというとそれが違うのです。
それがまた職人仕事の難しいところです。
それで資本主義的効率性こそが善だと考える人たちが、それを画一的に統一したがるのです。ですが、実はそれぞれの家に伝わる秘伝こそが技術の多様性と高度性を担保しているのです。

学校では、ある典型的なものを伝えるでしょうが、その典型が果たして、よい仕事につながるかどうかはまた別なので・・・・、今や学校制度は是非とも必要ですが、・・・・やはり職人の工房での修練が欠くことのできないものなのです。

そして今や少なくない職人さんたちは、そうした「秘伝」「口伝」を、学びに来る人に伝えても良いと考えているのです。
しかし、それにしても「時間がない。」
もう間に合わないなあと漏らす高齢の職人さんは多いのです。
- 2018/10/21(日) 00:00:14|
- 伝統工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0