「写真を撮る奴はそんな発想をするんだ?!」と言うような表情で愉快そうに笑いながら、作品の説明をし、またカメラに収まってくれました。

「おじさんシリーズの中に入っていただきたいので・・・。」とお願いしたものですから、ギャラリーのオーナさんが近づくと「どうやら爺を撮って個展をするらしいよ。」と。 川上さんが今年83歳です。
「あら、若い女性の写真を撮っていたんじゃないんですか?」とはオーナーの言葉。

先週は司修という画家の個展がありました。いい絵があって「この絵はいいですね。僕は大好きです。」と話すと「じゃあ、是非買ってください。」と突っ込まれましたが、23万円は、司さんの絵としては殊の外高価だということはなくとも、年金生活者の私にとっては、「到底手が出ませんよ。」
そしてその司さんが御年82歳。
川上さんの個展会場の下の階で個展をされていた油絵作家の鶴身 幸男さんが82歳とシルバー世代大活躍です。

私はたまたま周囲にこうしてご高齢でいよいよ若々しく、ワクワク世界を広げておられる方々を目にし、お話を聞く機会がありますので、いつまでも若造でいられます。ありがたいことです。
「写真をやっています。」
「そうか、がんばんなさい。」ってなものです。 これが本当にありがたいのです。

それで、「それじゃあたまには若い者の役に立とうかな。」なんて感じで撮らせていただくわけでもあるし。

そして「お、なかなかいい写真を撮るじゃないか。」なんていつかいっていただけるように頑張る訳なのです。
枝野氏の不見識
立憲民主党の枝野氏が「安倍さん、日本を中国にしたいんじゃないかと思います。社会主義化をさせているとしか思えない。」と安倍政治を批判したそうです。
日銀が株価下支え、あるいはつり上げのために株を買いあさり、ついには政策的売買巨額に上って、市場的株価決定を妨げるようにさえなっています。そしてその結果総株式発行額に対してさえ最大株主が政府になっていることをさして国が経済を支配・コントロールできる実態を持つから「社会主義だ」という事らしいのです。
先のアジア太平洋戦争の末期、1945年2月14日に重臣の近衛文麿は昭和天皇に「最悪の事態(敗戦という事)は遺憾ながら最早必至なりと存じ候。」と講和すべきことを進言しました。その中で今のうちにつまり政治的余力のあるうちに敗戦を受け入れて戦後を展望しておかないと「勝利の見込みなき戦争を之以上継続する事は、全く共産党の手に乗るものと存じ候」と述べていました。近衛は軍中枢を握る統制派は実は「隠れ共産党」だという認識でした。
なるほど統制派は政府が経済を「企画」し戦争遂行体制を構築せねばならないと考えていたわけですから、自由な経済に対して計画(統制)経済を主張していたわけです。それで計画(統制)経済=社会主義という図式でしかものを考えられない彼は、軍部内統制派は共産党だと。北一輝らの右翼集団も「国家社会主義」を唱え天皇のもとに統制的な国家づくりを画策していたわけです。近衛らは、治安維持法によって投獄・拷問されていた共産党(員)と軍部統制派とでは根本的に違っているのに、一面的で外形的な類似性によって同一視するという誤りを犯しているわけです。
ドイツのナチスもまた「国家社会主義労働者党」でした。
(いやナチズムとスターリン主義とは外形的にも内容的にも同一だという議論をしたい方もおられるでしょうが。)
そう言えばかつて公明党は「人間性社会主義」を唱えたことがあるように「社会主義」という言葉はどこにでも張り付けられるような言葉です。
ある時は、公正・公平、平等、働く者の尊重などの肯定的イメージで社会主義という言葉が使われ、一方では計画(正しくは統制)経済、自由の否定、財産の共有などの否定的なイメージで政敵に「社会主義」のレッテルが張られます。
今回、枝野氏は政府による株式大量取得による経済コントロールをさして「社会主義」だとレッテルを張ったわけです。しかもそこから位相の違う問題である「中国のようにしようとしている」という非難も投げつけています。
ここから先を論じようとすればA4で数枚を要しますから書きませんが、こういう多義的な言葉を明確な規定無く使うのはあまりにもうかつで、不見識です。少なくとも古代からの社会思想史を紐解けば歴史的にさまざまな社会主義があったし、近代においても「社会主義」は多様であったことを学んでいないわけではないでしょう。こうした有力政治家の粗雑な議論は国民の政治的教養をゆがめます。
また今回の場合「政敵」に「おまえはアカだ。」という言葉を投げつけて相手を封じ込めようとするのと同じレベルの意識が見え隠れします。
いつかは政権を担当しようとする政治家が、こういう際にある特定の外国を丸ごと悪政の象徴のようにして、それを政敵と同一視する様な言説をすれは将来外交上極めて悪い影響を生じることを予想できないのでしょうか。中国について様々な点で批判があり、否定的な問題を取り上げることができるとしてもです。
ネトウヨが嫌韓嫌中を叫び、お前は反日売国奴だというレッテル張りをするのと五十歩百歩の政治的感性だと言わねばなりません。
枝野氏の基準で言えばケインズ主義や北欧の福祉政策はまさに社会主義ということになるでしょう。
政府による労働者保護政策や環境保護政策もまた社会主義であることになります。日本国憲法25条は社会主義だという議論と紙一重になってしまいます。
彼の論理では新自由主義的な露骨な弱肉強食的野放し自由路線に対して何の抑制力も持たないばかりはその露払いにさえ陥ることは明白です。
安倍政権のゼロ金利政策には私も反対ですが・・・だからいわゆるアベノミクスには真っ向から反対ですが・・・・だからといってその性格規定を誤って批判していては、ことを混乱させるだけです。
- 2018/09/26(水) 00:00:17|
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