少し前にもこの人の演奏シーンの写真をアップしました。
そのライブのあと数日をおいてまた演奏を聞く機会がありました。
前回は同じデンマークの画家たちの絵からのインスピレーションで作曲した曲の演奏でしたが、今回はそれも含んでの彼の曲を1時間余り演奏するものでした。

で、ライブ空間の雰囲気を壊さないように「撮影は自粛しようかな。」とも思いましたが・・・・・。
それで一応、大げさな一眼レフや口径の大きなレンズはもていかないことにしました。
持って行ったのはフジのX100Fです。
このカメラ、いいと思いますよ。 モノクロで撮る気にさせてくれるカメラです。

今回のライブでは「静かに聞こうかな・・・・。」という思いが半分くらいありましたので最前列のソファに腰を落ち着けました。
ただあとの半分の気持ちがその列の一番端に席を撮らせることを促していました。
演奏が魅力的で、そのサウンドに心が揺れるとそれに刺激されて・・・・持っているのに撮らないなんて・・・やはりバックを開けてカメラを取り出してしまいました。
初め遠慮がちなったのですが、こんな腰の引けた写真を撮るのは却って失礼だと・・・自分に都合のいい・・・・・理由を思いつき、やがてソファからずり落ちて床にお尻を付けて撮り始めました。

ファインダーを覗いていると、「やっぱりいい演奏は撮りたい気持ちを高揚させるなあ。」と、これまた一人合点をして、ますますファインダーの中の世界に夢中になるのでした。
ライブは耳と目で聞くものだ、それが私流なのだなんていう理屈も編み出して・・・。
次の写真はサックスのすぐ下辺辺りでトリミングすべきでしょうね。
フジはこういう風に楽器の金属感をしっかり描いてくれるので有難いのです。
レンズもいいんだと思います。

いつもそうなんですが良い被写体の時には被写体が「もっと探せ!もっと他も見ろ!」と促してきます。
良く職人さんが「ここを彫れ!」と素材が語り掛けてくるなんて言いますね。 そんなバカなと思うのですが、「まだ見つけてないぞ!もっともっといいカットがあるぞ!」と言っている感じはあります。 それは言葉を変えていえば「そうだこの瞬間を、そのアングルで撮るんだ!」という声を聞けという事なんでしょうね。

きっといつかそんな声を聞き取ることができる日を夢見て撮るわけですね。
篠山紀信氏は「撮る前からどう撮るかはすべてわかって撮る。」と言っていました。それが一流の写真家の条件だと。
私はそういう一流にはなれないでしょうから、その場で対象に聞くしかないですね。

対象の持つ魅力が私を越えているんですから、それは仕方がないです。
対象に従って撮るしか私には方法がないのです。
- 2018/09/18(火) 00:00:32|
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