「まだひよこですから。」と謙遜されるけれども仏師です。
その世界を知るこの人はご自身が「まだひよこ」だということを謙遜でなくよく自覚されているのかもしれない。
それだけ高みの果ての知れない世界なのだろうと想像する。

私は信仰心がからっきしない人間だけれども、人の制作物が人の心を静めたり、内省に誘ったり、希望を与えたりする力を持つことの素晴らしさと不思議さを感じはする。
写真を撮るのが好きですという話をすると「お好きな写真家は誰ですか?」と質問されたりします。
で、写真家という人たちもその作品もごくごくわずかしか存じ上げないので困惑するのですが、当の質問者が「やはり土門拳なんかお好きですか?」と重ねて質問してこられるくらい土門拳さんは有名だ。そしてその土門さんのイメージは多くは仏像の写真とかさなっているようです。『古寺巡礼』などがよく人に知られているのでしょう。

斯くいう私も嫌いじゃありません。
多分の話ですが・・・・土門さんの仏像の写真は日本国民の仏像観、仏像に対する審美眼を大きく変えたのではないかという印象を持っています。
そのことで日本の伝統文化を「残す」ことについての国民的コンセンサスの水準を上げたのではないかと・・・。

写真のみならず芸術全般にもそういう力があるんですよね。
トップの写真家たちはそういう気概を持って撮っておられることでしょう。
そう期待して先日のJPSの公募写真展(関西)を見に行きました。

と、まあそれは別の話として、この仏師さんにも、私のある計画についてお力をお貸しいただくことになりました。
「光栄です。」なんて恐ろしいことを言われてしまったので、自分なりに一生懸命撮りたいと思っています。

極めて大げさに言えば撮影者の責任ですね。
- 2018/07/19(木) 00:00:05|
- 伝統工芸
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