烏丸通の夷川を西に少し入ったところに一見古物商とも雑貨店とも見える不思議な雰囲気を醸し出した店がある。町屋を改装したその店は以前から私のアンテナをくすぐってはいましたが、ついつい寺町へと足を急いで前を通り過ぎていました。

このお店の2階は「アートステージ567」というギャラリーになっています。
ここである女性作家の個展がされていましたが、別のギャラリーに行く予定があったので、入ろうか入るまいか迷っていたました。その時、中に人の気配がしたので「ままよ。」と意を決して入らせていただきました。運命とはどのようにして決まるのか・・、なんて大げさなことではないですが。
この女性作家については後日ご紹介します。
このお店の御主人です。(あるいは「主人」というような呼称は嫌がれらるかもしれませんが)

お隣の建物に「米 丹定」とありますようにここは元は200年続いた米屋だった建物なのだそうです。
この建物が取り壊されようとされた時に「あなたがこの建物を買って保存しないか?」と話を持ちかけられたとのことです。
それをこういう形で再生保存するについては金銭的にも運用の面でもご苦労は大変なものだったと思います。

背後の格子戸も保存されたものです。
京都の古い町並みや町屋がとり壊されていくことに心を痛めておられます。
梅小路の京都には似つかわしくない、また公園を特定の企業の利益のために使用して市民の利用が制限される計画にも反対されてきた方です。京都の方はご存じでしょうが、梅小路公園に水族館が建つのです。少なくない反対にもかかわらず計画は推進されていますが、「ただの反対じゃなくて、こういうものを立てないとすればどうすればよいかを考えなくてはいけないし、仮に建設が決定されてもそこに市民の立場から大いに修正を要求していく活動が大切だ。」と熱っぽく語ってくれました。
「今は京都会館のオペラ劇場化が問題になっていますよね。」
「実はこれにもかかわってるんですよ。」とのこと。
こういう活動を通じて様々な分野の方との交流を深め、ネットワークを広げておられる。

上のようなやさしい表情の方ですが、一転険しい表情をされることがあります。
運動は楽天的に進める。問題意識はシビアーにという感じです。

実は奥さんも非常に問題意識の高い方で、またとても開放的な方ですので、ご夫婦でこうした各方面の活動をされてきているようです。
その「各方面の」という中には「夷川タンゴサロン」と銘打っての バンドネオン、バイオリン、コントラバスのトリオによる演奏会[12月26日]を企画したり、二階のギャラリーで落語会を開いたりと多種多彩です。
こういう方が地に着いた文化を作っているのですね。

2階で個展をされている女性も15年前に出会われて支援してきたのだそうです。
- 2011/12/04(日) 00:04:42|
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