私は西陣織物会館にっていろいろなお話を聞くのを楽しみの一つに加えているのですが、そこで実演をされている西陣織、京友禅の様々な分野の職人さんたちが、皆写真撮影を許諾してくれるだけでなくブログへのアップも快く承諾してくれるのには背景があると思います。
それは共通に西陣織、京友禅の前途に不安を感じていること、職人の社会的な地位、工芸的に高度な技への社会的な理解を得たいということだろうと思います。
私のブログがそうしたことに塵ほどの貢献もできるわけでないことは重々承知していても、なお少しでも自分が役立てばというお気持ちがあるからこそ、「写真お願いしていいですか。ブログに掲載させていただいても・・。」というお願いに一も二もなく承諾していただいているのです
このかたもそういう思いでOKされています。
堀川さんは図案を描かれる方です。白と淡い青色で書かれているので写真的にはきついですが、上品な菊の文様です。

この一枚の中でも繰り返しがありますが、この長さが一つの単位となって図案が繰り返されるのです。

絵の具は画面左手の浅い小皿の上で直接混ぜあわされます。ですからその小皿の絵の具がなくなれば二度と同じ色は出せません。
これを糸の染めとしてはできるだけ再現するのですが、必ずしも全く同じ色には染まりませんから、その工程に携わる人が図案を尊重しつつも染めの技術的可能性や、糸の特性などを考慮し、また織り上げた時の効果なども勘案して決定していくのです。ですから図案を描く人が図柄についてすべてを決定しているのではなくて次を受け継ぐ職人を信頼してバトンリレーをしていくことになるわけです。

図案はこうした着物業界にとっても図案を描く人にとっても大切な財産です。でから、著作権的な保護がぜひとも必要なわけですが、あえてこうして撮らせていただいています。
堀川さんも伝統工芸の技術伝承に不安を感じ、私のブログのような非力なものを介してでも仕事が広く社会に知られ後継者が生まれればという思いを持たれています。
これは西陣織物会館で実演している職人さんたちの切なる願いなのです。
- 2011/11/30(水) 00:03:11|
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ホントに心底からの美しさに魅せられます。
撮る側の soujyuさんのお人柄もそのまま表現されて
いるようですね。
時間のある時、初めの方からゆっくり見せて頂きます。
◎私のブログは、優柔不断。気にしないで下さいね(苦笑)。
- 2011/11/30(水) 23:42:59 |
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- kanmo #UwJ9cKX2
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過分な評価で恐れ入ります。
世の中には素敵な人がたくさんいます。そういう人に出会いたい。出会って話がしたい。そしてできることならば写真を通じて、その人たちの素敵さが伝えられないか・・、ただそれだけなのですが、私の技量が未熟なために歯がゆいばかりです。でも「kanmo」さんのようにいって下さる方が一人でもおられると、本当に励まされますし、自信につながります。
また何より撮ることを許してくれた多くのみなさんが喜ばれると思います。ありがとうございます。
日本の歌声祭典に参加されたとか。こうした文化活動がもっともっと広がるといいですね。
- 2011/12/01(木) 16:46:30 |
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- soujyu2 #-
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