この写真では長谷川氏は「龍体」を描かれています。
日本画を描かれる方の中には好んで龍を描かれる方がおられますが、何故、架空の存在を主題に選ぶのでしょうね。
写真はないものを撮れませんから、発想がずいぶん違うのだろうと思いますが。

龍は中国でも書かれていますし、その源流は中東にあるらしいのです。西に流れてドラゴンになるのでしょうか。
中国の龍と日本の龍とは違うものだとお話になっていました。

まあ、それはそうでしょうねぇ。
中国の龍は皇帝を象徴し、皇帝の衣服にも龍の刺繍が施されています。 皇帝の色である「黄」を皇帝以外のものが使えないように、「皇」の字を使えないのと同じように、龍を皇帝以外が使えないのが中国であり、中国の勢力範囲です。中国皇帝は周辺の蛮夷の王にその地の支配権を認める代わりに朝貢をさせました。(冊封体制)

圧倒的に京大の中国皇帝の支配下にはいって冊封されることが周囲の王たちにとって死活の事でした。
ですから倭の有力者たちも競って「漢委奴国王」や「親魏倭王」の称号を得ようとしたのですね。
歴史上有名な「遣隋使」が持参した倭の王の親書の中で「日出づるところの天子、日没するところの天子に書を致す」などと言うようなことは国内情報操作としてはあり得ても、現実の外交文書としてはにわかに信じがたいわけです。

まして「天皇」と表記するようなことはわざわざ外交交渉を失敗させるためにするような愚行ですから、「天皇」ではなくて「すめらみこと」と自称したというのがせいぜいのところでしょう。
今の安倍政権でもそうですが「トランプ大統領と親密に会談した」と発表したからといって言葉通りの事実かどうかはひとまず疑う必要があります。政権側の言辞というものはえてしてそういうものです。北朝鮮の発する言葉も国内向けと対外的なものととの両方を使い分けているのをしっかり見極める必要があります。

日本の「王」・・・国内的にどのように自称しているかは別にして…対中国では、黄色は使えませんし勿論、龍を自らの象徴にはできないわけで、中国文化に憧れて龍を取り入れたとしてもいろいろな工夫が必要になるのは明瞭なことです。
それを日本では生きた人間である皇帝の象徴としてではなくて・・・と、何か超自然的なものを象徴したから、中国の龍<日本の龍だとするのは少々身びいき過ぎるように思います。
・・・と、話がおかしな方に進んでしまいましたが、こうした架空のものにその国の人々の文化の中でいろいろな思いや事実を込めて語り継がれ描かれ継がれてきたのですから、今日的な思いなりメッセージを体現するものとして再生することには大いに意味もありそうですし、興味もありますね。
- 2018/05/09(水) 00:00:20|
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