彼女らの動きと表情にプロの演技を見るのでした。
私は一たびはそこを離れて会場の動画を見に行き、そこでも別の歓心をしながら、やはりこの人たちの見事さに、そのまま部屋を出る気持ちに成れませんでした。
それで、何となく再び部屋に入る気恥ずかしさもあって、入り口のドアのすぐわきの、部屋の片隅に入って、腰を落としてカメラを構えました。

するとこの人が近づいてきて、まるで「ほら、あなたがさっきスカートの下のステップが不思議だといっていたでしょ?!
こんな風にしているのよ。」と言っているかのように、スカートを少したくし上げてくれたのです。 足の動きが見えるように。

そして「分かりますか?」というように微笑んで見せてくれました。
オートフォーカスの利かないレンズ付けたカメラのファインダーを懸命にのぞき込みながら撮りました。
この暗さではピントが合っているかどうかを見極めることはとても難しいのです。

私が、大丈夫、撮れたよ、ありがとう、と無言のサインを送ると、
そしてまた氷の上をすべるように、流れるかのように向こうに行ってしまいました。
時間にすれば十数足らずの事ではないかと思います。


そしてまたこちらに来た時の彼女の表情を見て、ただ展示されているものを撮った、演技している人を観衆として撮ったというのではない交流を、勝手に感じてしまいました。
高度に修練を積んで演じるダンサーと一生懸命撮ろうとする人間とが瞬時出会って、交錯できたという熱いものを感じました。
それはうれしい瞬間でした。

勝手な思い込みかも知れませんが、この写真を見て改めてそう感じました。
それで昨日書いた原則に十分かなて散ると思って、この写真をアップすることにしたのです。
- 2018/05/05(土) 00:00:43|
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