素敵な人たちと

素敵な人たちと一緒に素敵な写真を撮ります。 なお写真のコピーはご遠慮ください。

素敵な人たちと   by 蒼樹  #KYOTO GRAPHIE・京都国際写真祭  写真家・Nicolas Auvray 氏

KYOTO GRAPHIE・京都国際写真祭が5月13日まで開かれています。会場は様々で会期も様々ですが、実にたくさんの作品が見られます。
今日の写真は、KG+Awardのファイナリストの一人となったNicolas Auvray 氏です。この写真自体は、これ以前に衣笠アートレジデンスで彼がご自身の写真のプレゼンテーションをされた時に撮ったものです。

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 彼は写真祭に「LISA」という一群の物語性のある作品を出しています。 「LISA」とは画面上に写っている女性の仮名であり作品名でもあります。

https://youtu.be/VMOvOUzMJMI を見ていただくとかれの「LISA」が見られます。

 わたしはこの「LISA」という一群の写真に人物写真・・・・彼はこれまで人物を主たるテーマとしそれ自身を中心において写真を撮ってきたわけではありませんが・・・の極めて重要な要素というか、人物写真の可能性と働きが可視化されていると思います。
 人物写真のある典型・・・・人物写真のすべてを象徴するという意味ではありませんが・・・・だと言ってもよいかと私は思います。 それくらい重要な作品だと言えます。それで私はこの写真祭のグランプリが彼に与えられても全く驚きません。

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 多分、この写真を撮ることになった何分かの間に、この写真に写る女性との出会いと、撮影し、そして彼女が去って行った後に彼の心に残った余韻は、彼がこの作品に触れるたびに彼を興奮させるものだと思います。
 彼はこれ以前にも、またこれ以後にも素晴らしい写真を撮ってきたしまた撮ることでしょうが、この一群の写真が彼に与える影響、また人々に提示するものは彼の中にあって一つの峰となることでしょう。

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 私自身がこれまで人物写真を撮って来たために、彼のこの作品群の持つ素晴らしさを理解し感じ取ることができることをとても幸運だと思います。

 人物写真を撮るということは対象の受容であり、共感であり、そしてともに立つことです。そのことで被写体となった人はその人自身を語り、見せてくれるのです。
 そのことを彼の写真は実際の作品として我々に見せてくれています。

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 多くの場合には、これほど劇的に人生が交差することはないでしょう。
 しかし、こういうことが他の誰かに絶対にない、起こらないとは言えず、そうした瞬間を見逃さないで掬い取るために私たちは何度も何度も人に向かって、あるいはともに立って写真を撮るのです。
 「LISA」のように事柄が展開しないで、彼の写真のようには劇的な結果をもたらさないとしても、その撮影では互いに出会った撮る者と撮られるものとの間には、本質的には同じことが起こっているからです。
 そのことを知らないで撮る写真、それを自覚しない人物写真はあまり意味もなく、また人の心を打たないでしょう。

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 人物写真を撮るためにカメラを向けるという事は、撮る側の意識を相手に強いることではありません。
 論争したり非難するためでもありません。レンズの向こうに立つ人を受容し、その人が自身を物語る気持ちを尊重することです。その人の人生を認めることです。
 その象徴的な行為がカメラを向けて関心を示すことであり、撮りたいという気持ちを相手に伝えることです。
 ここに生まれていることは「あなたに関心がある」という気持ちを伝えることです。

 無視すること、ネグレクトすることと写真を撮るという事は対極にあることを生かさねばなりません。

 現代の世界では多くの人が全くか、または極めて薄弱にしか人から関心を寄せられてはいない。無視され尊敬を受けられていないという現実があります。その事が写真を必要とする大切な理由の一つです。

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 人に視線を向けて「あなたを撮りたい」と言う気持ちを伝える、その人に自らを語る気持ちにさせるのです。
 現実の社会では、多くの人が自らを語る小さな声を人に聞いてほしいと願っているのに、その多くは、その話に耳を傾ける人を得られないでいるのです。
 どんなみじめな境涯にある人でも、いやそれだから、あまりにささやかで人からは無視されるに違いないと本人が思うようなこと、しかしその人の尊厳にかかわることを聞いてほしいと願っているのです。自分を受け入れるまなざしを注いで欲しいという気持ちを抱いているのです。

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 写真家は、そうした人々の心を踏み荒らすためにではなく、自ら語る者を受け止めて虚心に写し取ることを一つの貴重な役割として自覚すべきでしょう。
 無論、写真家は告解師ではありませんし、許しを与えたりする存在ではありません。決してそんな驕った立場でもありません。
 カメラは何か特権を主張してはならないと思います。
 
 ただしかし、被写体となっている人のあるがままを受容すると言っても、漫然と路傍の人としてカメラを向けるのではなく、その人に対する共感や、自身の中に励起する気持ちに添ってカメラを操作しなくてはなりません。
 そこに写真家の哲学と能動性がなければ、その人の言葉の意味や人生の姿を捉えて人に伝えることができません。
 観察し、イメージし、創造的に「写真」にしていかねば写真家としての役割はありません。

 決してただの鏡であってはいけないのです。

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 ・・・・・と、途中から、掲載している写真と相まって仕舞って、文章が彼の話のようになっていますが、そうではありません。
 文章はあくまで蒼樹のものです。
 誤解がありませんように。

 ただ、彼の写真とお話に触発されて、今まで抱いてきた考えを書くことができたという事は、また確かなことです。
 

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  1. 2018/04/28(土) 00:00:18|
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Author:soujyu2
 人はいろいろな場所で様々な思いを抱いて頑張っています。そんな人々の素敵な表情を追いかけてみようと思います。
 「素敵な人たちと」の出会いが私をワクワクさせます。

People hold various thoughts and are doing their best at various places.
I think that I will pursue such people's great expression.
Encounter of "nice people"
excites me.


 大変恐縮ですが、無理をお願いして撮らせていただいている写真です。ご本人のためにも無断でのコピー、転載は固くお断りします。

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