カナダでの暮らしがずいぶん気に入っているようで、ニューヨークなどに比べてゆったりと過ごせて、何か京都に似ているとおっしゃっていました。
トロントはそのボリュームも京都と同じくらいだそうです。

大概の作家さんは自己主張が強くて、よい意味でわがままなところがあります。私はそうでなくちゃだめだと思っています。
無論、そいう言う面を社会生活というか日常的な交際の中でむき出しに表すかどうかはまた別の問題で、そこのところをしっかり分別がついていない人に時々であって閉口することがあります。
が、この方はそういう意味ではとてもバランスの取れたというかメリハリのきいた方だと思いました。

私は若いころは周囲がうっとうしく感じるくらい自己主張が強く、鼻持ちならない面を持っていたと思います。それが今では表面的には、ずいぶん影を潜めてきました。
えっ?!これでも・・と、私を知る人は言うかもしれませんが、そうなんです。

この人がフランス人作家たちのプレゼンの通訳をしてくれるのですが、実に巧みでした。
それがテクニカルタームとか、ちょっとニュアンスが伝えにくい表現が出てきて「う~、どう訳そうかなあ。」と一瞬逡巡すると会場にいる方から「そこは・・・・。」と助け船が入り、「今の話はこういう事か。こういう風に伝えたのだけれどあなたの真意はそれでよかったのか?」などと流ちょうな英語で話しかける人が数人。
ことにある女性などは美術的な知識も豊富な様子で、かなり突っ込んだ話をしていました。

私などは完全に蚊帳の外ですが、・・・・、この人は助け舟が出てもそれに対して変な引け目を見せることもなく、又、余計なことをといった尊大さを見せることもまるでなくて、実に素直に助けを受け入れていました。
もっと適切な訳は無いでしょうかと皆に助言を求める姿勢さえ見せていました。
この人の作品を見たいなあと思いました。

たまたま、私はこの人の立つ場所のすぐ前に腰かけていましたから、こういう写真が撮れてしまいました。

少年のような好奇心とはにかみのある人でした。
- 2018/04/21(土) 00:40:36|
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