この6年余りで幾人もの京都の職人さんの写真を撮らせていただいてきました。
撮り始めたころに既にご高齢の方もおられて、私がこの6年余りを過ごしたという事はその方たちもまた年を重ねられたという事で・・・・。
「そうだね私の周りでも物故される人がいてね。 職人の高齢化は深刻だよ。」
「で、そうした方がお亡くなりになる前に、これまで撮らせていただいた写真をそれにふさわしい場所で展示したいなんて思うのです。例えばここのホールでとか・・・。」
「それはいいねえ。 ここでもいいし、市の観光課とかに提案すれば補助金が出ることもあるよ。」なんて教えていただきました。

ここで実演される方々で伝統工芸士の称号を持つ方たちの多くは組合の理事などを務めても来られていますから、行政との関係もお持ちの方もおられるのです。
そして何より職人の存在とその技術についてもっと広く関心を持ってもらいたいし、知ってほしいと願っておられます。
それはご自身をという事ではなくてこの産業・仕事のためにという思いです。

撮らせていただいた写真が私の「趣味」の世界で止まっていてはむしろ申し訳ないなとも感じます。

実はこの方の上着の両脇の裏地には風神・雷神が描かれています。
この方自身が描かれたそうなんですが、粋ですね。
そしてこの方の来ておられるシャツ。 おしゃれです。

私の方はと言えば、自転車のチェーンに巻き込まれて裾がずたずたになったズボンをはき、すっかりすり切れたひさしのキャップ帽をかぶって徘徊するようなことでは、ちとまずいかなと・・・・・思わなくもないのですが。
- 2017/11/09(木) 00:00:14|
- 伝統工芸
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