60歳を過ぎてもサッカーやラグビーを楽しむ方々がいる。中高生にも負けないのではと思わせるせるような走力を見せる方がいて驚かされたりする。何よりこうしたスポーツをやり続けてグラウンドに立つその気持ちが爽快だ。
ギャラリーをはしごしていると同志社のスケッチのサークルのOB展があったあり、前に紹介した立命のOBの集まりがあったりする。そこでは60代などは青年の部類で70歳80歳も意気旺盛で、時に学生の絵や写真よりはるかにエネルギッシュで冒険的であったりする。
今回は京都工芸繊維大学のOB。
在学は工業繊維大学(通称、工繊大)がまだ工業専門学校であったころ。専門学校といっても今のイメージや社会的なポジションとは違う。(こういういい方はあるいは誤解を招くかもしれませんが。)
繊維は養蚕・生糸に関して研究をしていたところから。繊維の専門学校があった。

OBが絵を持ちよってグループ展を開くというのは珍しいことではありませんが、私にはうらやましいことです。
お二人は普段から仲の良いお付き合いをされているとのことです。メンバーによっては遠方にお住まいの方もあり、普段のお付き合いは必ずしも頻繁であるわけではないですが、年一度のこの会を励みにし楽しみに絵を描き続けられているとのことです。

卒業後の人生体験が絵になって現れます。
元来絵がお好きだったそうですが、学生時代が15年戦争の最中だったために、建築の方に進まれてしばしの徴兵猶予があり、いよいよその猶予期限も切れるころに「終戦」になって招集を免れたとおっしゃっていました。戦争政策によって絵筆を捨てねばならなかった美大生などもたくさんいましたが、この方もそうした意味においてはやはり戦争政策の犠牲者です。

お二人は80代半ばになられます。
写真を撮らせていただくことになって「普段通りにお話でもしていてくだされば・・。」といいますと、すぐにこうしてお話を交わしてくれました。
今の若者より頭も体も機敏です。
そしてお互い長い付き合いですから「呼吸があって」います。

「絵を描いているからかなあ、ありがたいことで体のどこも悪くないし、まだしばらく描けそうだ。」
この方の絵はヨーロッパの街角、竜谷大学の建物を描いた水彩です。

「舞妓」の絵を描く機会があるなんてうらやましい限りです。

体型といい穏やかな笑顔、物腰といい、こういう紳士になれたらいいですね。
- 2011/11/07(月) 00:04:21|
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