つま先立ちしている右足は無論の事、頭部、胸からお腹・腰・そして左足のつま先に至るラインの魅力。
見る人に足の甲が向くように伸ばしているのですが、これがまさに足を美しく見せる技ですね。

こんな自然に逆らったスキルはそれこそ一朝一夕に獲得できるはずもなく、体が柔らかい幼児期からの修練のなせる業でしょうね。
何の苦もなくしてはいますし、常に笑顔ですが、だからと言ってまったくなにも辛くないわけではない姿勢です。
それを文字通り何の苦もなくやってみせるということがやはりすごいと思うのです。

サッカー・プレーヤーのリフティングやテニス、卓球のプレーヤーがコートの角に置いた小さなコーンにサーブやスマッシュで見事にボールを当てて見せる。それを当然の事のようにして。いやまさにそれができてこそ一流プレーヤーとして活躍できる「当然の事」なのでしょう。
そいう人を驚かすすほどの「当然」を身に着けているという事こそが瞠目・驚嘆なんですね。
それは何一つそういう「当然」を持っていない者の憧れです。
背景に金色があるとなんとなくクリムトの雰囲気がある・・・ような・・・・。
そう言う空気を感じるのは、単に背景に金があるからだけではなくて彼女の立ち姿の非日常感も作用していると私には思われるのです。

そうか、この人の持つスキルが空間を非日常化するんだ、と気が付いたのは、しばらくしてからのこと。
それがこうしたつま先立ちやバランスのポーズという分かりやすいスキルだけではなくて、ただ立つ、腰かけるという様なたたずまい自体からして既にそうなんだと気づくには、さらに時間がかかりました。
ボケた写真もいいものです。

くっきり写すだけが写真じゃないのです・・・と自分に。

写真表現の多様性に柔軟になりたいです。

- 2017/07/25(火) 00:00:10|
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