夏と言えば夏祭り。祭りと言えば夜店・・・いやいや家々の軒先につるされた提灯も忘れがたい。
提灯と言えば「ちょっと寄ってく?」の居酒屋・・・・。
京都は神社仏閣もあれば芸舞妓の茶屋もあり、また繁華街にはたくさんの料亭に飲み屋。そしてそこに欠かせないのが提灯。
ずっと以前から気になっていたのです。この建物。

私のギャラリー巡りのコースのすぐ脇に見えていたのです。時にはその前を通ることも。
で、意を決して建物に足を踏み入れ「見学させてもらっていいですか?」
「どうぞ どうぞ。」

そこには溢れんばかりの提灯。
各方面からの御用の提灯だらけです。
提灯に字を書くのは難しそうです。何しろ表面は平らではなく、竹ひごによる山と谷があります。
そこでは微妙な力加減が必要なはずです。

「いわゆる書道の字の上手さとは違いますから。」
やはりそこに職人の手わざがりあります。
しかも提灯は上下がすぼまっています。中ほどの字の大きさとその上下の字の大きさやバランスはうまく調整しなくてはなりません。
一字の中にも下から見上げるときの視覚効果が計算されています。

例の左甚五郎の昇り龍ですね。
上に登っていく龍の頭は大きく尻尾は細く。

平面に書くのではなくて立体に書くのですから、例えば正面から見た時に側面に回り込む線はどう書くか。これまた不用意に書けばバランスが取れません。
かといって側面をに回り込んだ部分を極端な書き方をすれば、人がその側に回ってみた時に字体の均衡がとれなくなります。

暗くなれば提灯は中に明かりがあって光の透過によって見ます。不注意な筆の重なりがあれば字の線(面)に色ムラができてしまいます。
不用意に絵の具を注ぎ足せません。十分注意をしなくては重ねて塗ることもできません。
なんて難しいことでしょう。
- 2017/07/08(土) 00:00:49|
- 伝統工芸
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