オカリナを吹く人は撮ったことがありました。
でも、ハモニカの演奏は初めてです。難しかったです。

私は腰かけてみてくださいとか、もう少し体を向こうに向けて・・とかいう注文をすることがありますが、原則的にはほとんどそのままで撮ります。
というのも演奏にしろ仕事にしろその人流があるからです。
また静止ポーズにもしてもらいません。
時に親切心からポーズしてくれる方がおられますが「ご面倒でも続けてくれませんか。」と演奏や仕事を促します。
止まっているときには筋肉は動いていませんからその緊張と弛緩が現実のものではなくなるからです。また、全身の動作でなくなるからです。

それで、ハモニカの持ち方についても口出しをしないで、こちらの工夫で何とかしようと悪戦苦闘したわけです。
というのは、ハモニカを大きな両の手のひらですっかり包み込んで吹く奏法ですから、いくらのぞき込んでもハモニカが見えないのです。
つまり何をしているのかが分からない写真になってしまうのです。

十数年のキャリアだそうですが、いま様々な施設を訪問して演奏されているそうです。
とにかく吹いて聞かせたい気持ちにあふれています。
ハモニカの「吹いて吸う」奏法は健康にもいいようです。80歳を超えて肌の色つやの良いことは無論のこと呼吸の力強いこと。

曲に合わせてハモニカは30本以上お持ちだとのことです。
私が浜松の近くの出身だというと・・・・カワイ、ヤマハ・・・、と。
人にも教えているのだそうで、簡単な曲の楽譜のファイルをお持ちで、それを私にくれました。私はハモニカを持っていないのでご辞退申し上げたのですが、分かりやすい楽譜にしてあるから是非どうぞという事で・・・。

なかなかの音量で、窓を開けて吹くと、高瀬川の向こう岸を歩く人が振り返ります。
今ちょうど階下におられたマレーシアから学会のために来日したというプロフェッサーも音を聞いて上がってこられました。
共謀罪が議論になっていますが、この前に強硬に法制化された秘密保護法や戦争法と一体としてみると、ますますその危険性がはっきりします。
私たち写真愛好者から見ると風景にしろ鉄道にしろあるいは街の景観にしろカメラを向けるとそこにどんな秘密が写りこんでいるかわかりませんし、それを持ち寄って写真サークルでお互いに批評を交換していると、官憲ににらまれる可能性が大いにあるのです。日本は自衛隊のみならず米軍基地があっちにもこっちにも在って、しかもそれががすでに秘密のベールに閉ざされていますから、何時なんどきその秘密を一般市民が「侵し」、かつまた共謀の疑いをかけられて諜報の対象とならないとも限らないのです。
政界要人や外国要人などの車列にカメラを向けたりなんかするのはどんどん憚られるようになるでしょう。
共謀罪の対象は一般人です。そうでなくては法が役に立ちません。だってもうテロリストであることが明らかだったりスパイだったりすることが明確なら捜査の大半は終わっているのですから。
テロリストやスパイは「一般人」を装っているのですから、すべての一般人は捜査の対象となるのは目に見えています。
しかも計画や予備的な準備を「犯罪」の既遂と同じ扱いにしようとする今度の法はあまりに乱暴です。
私たち写真愛好者が秘密保護法や共謀罪について無関心でいていいはずがありません。
国家の秘密が膨らむのも、国民が集まり話すことを政府が恐れるのも大概の場合に「戦争」を準備しているときだというのは世界政治史の常識に属します。
私は共謀罪に反対です。
- 2017/05/17(水) 00:00:50|
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