街中のオフィス街には11時ころになると「お弁当」の簡易販売店が並びます。
パラソルを広げたりしてお弁当を並べます。
350円が多いでしょうか。500円ともなると高級感があります? 中には300円、いや250円という値段もあります。
長い不況を理由にベース・アップがされないばかりか、ボーナスカットや昇給延伸、賃下げです。
年金による生活の保障はありません。掛け金ばかりが高くなり、増税策と相まって人々の財布の紐は固く固く縛られざるをえません
巨大企業の内部留保は膨れ上がり、お金はだぶついて投資先を見つけられないでいるのに、庶民の生活は不安になるばかりです。
サラリーマン、OLが真っ先に削るのは、生命活動の大前提である食事にかかるお金です。
カップラーメンにお湯を注いでコンビニから出てくる「肉体労働者」の姿も珍しくありません。

この「お店」は「ぜ~んぶ 300円」です。
350円でもお店としてはかなり辛いと思います。 しかし、そこで300円でうってでる。
大変な価格競争です。
自動車のガソリン代を節約するために自転車で走っている身としては、考えざるをえません。

この青年は「雇われの身」だそうです。 300円お弁当を販売して人件費を出すのもまたこれ難しいことでしょぅ。
「よくやるねえ。」「ええ、だから数売らなくちゃいけないんです。」
いったいどんな内容とボリュ-ムなんだろう。経済学部出身者として実地に確かめなくては・・。

この夏毎日のように炎天下の町を走っていてこうしたお弁当売りの姿をたくさん見ました。並木の木陰を占めて売っている人はいいのですが、時間帯によっては日を浴びなければならない場所に陣取った人は、お弁当の保管条件も悪いし、大変だったと思います。
どこの飲食店も座して客を待っていては経営を維持することもままならないのだと思います。
それにしてもこの青年は実に愛相がよくて親切です。
「写真を撮らせてもらえないかなぁ。」とお願いすると、「ユニホーム?」を着直してくれました。
チキンカツ弁当を注文すると「お茶がないと食べにくいでしょう。」とお茶を勧めてくれました。
アルバイトは景気の調整弁ですが、いまや労働者の半数以上が景気の調整弁状態です。
弁当屋さんの「より安くておいしい弁当作り」は働く者にとってはありがたいですが、先進国のオフィス街のサラリーマン、OLがこういう食事をとっていていいのだろうかと思います。大企業の食堂のレシピが好評だそうですが、社会の格差はますます広がって、全体としての「貧困化」が進行しているように見えます。
今度またここを通りかかったら彼の笑顔と人柄に惹かれて、またお弁当を注文することになるのだろうな。
- 2011/10/20(木) 00:03:00|
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