わが宰相は「美しい日本」を取り戻したいのだそうですが、それは軍拡や日本会議的復古教育によってではなくて、是非、職人たちの生業の保障と後進の育成支援の方向でしてほしいものです。
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「案外、職人たちも快く受け入れてくれると思いますよ。」
わたしが、「なかなか実際の工房を見せていただくわけにはいきませんからねぇ。」とこぼした際のお話でした。

そうなんですね。
これまでも「どうぞおいでなさい。」と言っていただいたことがあるのに、それができない「アカンタレ」なんです。
それでこういう場で、せめてのことにと力が入ってしまうのです。

「あまり神経質に同じ形になるようにとは思っていません。そうするとただの大量生産的なものになってしまって面白みが無くなるからです。」
一つ一つ手作りしているからこその味わいあるものにしていきたいとおっしゃいます。
それでも五客おそろいでというようなものですからきちんと測りながらの作業ではあります。
きちんとそろっているという面と、しかし微妙に味が違うという面と・・・・。

銘を入れています。
以前は書いていたのだそうですが・・・。

職人さんたちの仕事を見せていただいて気づくのは、ピアニストやバイオリニストが指で弾いたり弦を抑えたりしますが、その時に全身がその指の最適な動きを支持して動いているという事です。
ですから全身の一部である顔の筋肉もまた集中にした精神の表現になったりしています。

ですから、私は職人さんが写真を意識して「こうしましょうか?」とか「こういう風に止まりましょうか?」というふうに親切におっしゃってくださることがありますが、それをお断りして、普段の作業を続けていただけるようにお願いします。
全身の神経と筋肉がこの指先に連動しているところに「緊張や集中」が表現されていると思うからです。
- 2017/04/14(金) 00:00:32|
- 陶器
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