私を基準にしてものを測るということ自体が、既に事柄の評価を間違える元なのでしょうが。
大学の3年生が終わる時期です。これから最終学年を迎えるに当って自分の位置を確認したい、そういう思いであえて大学のある地域ではなくて遠い京都で個展をしています。

ほとんどの期間、大学のキャンパスというかボックスにうずもれていた私には到底思いもよらない発想です。
当時の学生でも音楽や芸能活動など、またバイトを通じて広く世の中と渡りあっているものがいたのです。
学生運動についても広く全国的視野で活動しているものもいたのですから。

それにしても自身の才や腕前を広く世に問うなどという事は、もし当時の私なら怖じ怯えて大学のたこつぼから頭一つも出すことはできなかったでしょう。
それだけに最近の若者の様子を見て随分と叱咤されるのです。

無論、学生・若者の言動や様々な作品を見て本当にこれでいいのか、大丈夫かと思う事は毎日山のごとくあるのです。
否定的なことを挙げれば一晩でも二晩でも話すことができるくらいの暗澹たる気持ちを持っているのも事実です。
しかし、一方で新しき人々が生まれ出てきていることもまた事実だと認めないわけにはいかないし、そのことに正当な光を当てないと、それこそ、この列島上の人々の心・知性がおかしくなってしまうんじゃないかと危惧もするんです。
ですからこういう青年に出会うと本当にうれしいし、期待も膨らむのです。

彼の作品は彼のHP上で見ることができますのでぜひのぞいてあげてほしいと思います。
以前の作品と見比べるとその成長の勢いがすごいことが分かります。
学生ですから「発展途上人」であることは勿論です。
たらないモノもいろいろ感じます。

ですが感性の底に人の存在や活動への共感や尊敬が確かに潜んでいると感じられる彼の絵は、女性たちが素直に興味を感じ「絵本にしては・・。」「子供に見せたい」という感想を漏らすものなのです。
子供に見せたいと母親が感じるという事は大切なメルクマールです。
- 2017/04/07(金) 00:00:24|
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