ここは上賀茂神社(賀茂別雷神社)のすぐ前の元「社家」が並ぶ、疎水沿いの道です。
疎水は「御手洗川」の分流。元来は農業用水路です。
「別雷」の「雷」は、言うまでもなく「神鳴り」で雨をもたらす神でもありますから農業神ですね。それにこの神は、もともとの先住民がこの地を開発していたところに(ですから彼らの神が祀られていたはずですが)、それを押しのけて鎮座した神です。近くに太田神社があります。
ここを開発できたのは、水が得られたからこそです。
この疎水の水は社家の敷地に引き入れられて、それぞれ上賀茂社に使える神官たちの朝の禊の水としても使われていたそうで、流れは屋敷地からまた元の流れに戻され、その下流に当たる隣の社家に再び導き入れられているのです。

「社家」として営まれてきたお屋敷群は、既に神官はどなたも住んではいなくて近隣の農家や神官とは別血族の方たちが住んでいるとのことです。

有料で公開されている社家もありますが、ここは「すぐき」やいくらかのお土産販売をされる傍ら、なんと無料で公開されているのです。
古い調度や富岡鉄歳の絵などがあり、とても素晴らしい建物です。

ロケハンをした時、ご主人に「写真を撮らせていただいてよろしいでしょうか。」とお尋ねして快諾していただいていましたから、スムースに撮影することができました。
無論、機材を持ち込んだり他のお客さんにご迷惑をかけてはいけません。
冬の事ですし、早い時間帯にお訪ねしたことですし、・・・、ご無理をお願いできました。

こうしてモノクロで撮るとセピアでもよかったんじゃないかと思う位の雰囲気になります。
「おばあさんの若いころの写真を古いアルバムから見つけた」という様な設定でもいいね、と軽口を言いながらの撮影でした。
それを一緒に喜んでくれる人ですから撮れる写真ですね。

椅子にしろ火鉢にしろとても貴重な年代物のようです。
もし和服でいてくれなかったら負けてしまいます。

どうですか、鉄瓶もいい感じでしょ?!
襖で隔てるだけの奥行きのある建物ですから、時代を感じさせますね。
そして向こうに見える縁側では日当たりがとてもよさそうで、冬の日でも暖かくくつろげそうです。
でも、ここは寒い北側です。
- 2017/02/18(土) 00:00:51|
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