実はこの方とお話しする直前に「糸を染める」お仕事の方からお話を伺いました。 1時間ほどの貴重な「講義」でした。
そしてこの方からもまた1時間の特別「講義」を受けました。
受講料、「0」円」でした。

何しろこちらの無知な門外漢の質問に沿ってお話を伺えるのですし、マンツーマンなんですから贅沢なことです。

しかも、技術的なことばかりでなく、人生の先達としてのお話もちりばめて。
海外からの見学者には言葉の壁があって最低限の事しか伝えられません。いえ、それさえままならないのですから、多少欲求不満になっておられるということもあるでしょう。それが私に幸したという事かも知れません。

それにしてもお土産販売のフロアには通訳がいるというのに・・・・・おそらく直接の利益が出ないからという事でしょうねぇ・・・・こちらには通訳がいません。
こういうところに、こうした施設・業界・行政がもっている文化意識と財政力が現れますね。
ことに文化意識です。

見ても分からないことが分かっているのに「伝統工芸の仕事を展示している」というアリバイだけ作るようなやり方です。
そのストレスが、こうして展示に貢献してくれている職人さんにかかります。
もし中国語の出来る人が配置されていれば中国人のお行儀の悪さだけが印象に残るという様な事はないでしょう。
もし英語ができる人がいてくれたらクラフツマンを尊ぶ文化圏の人たちとの深い交流が実現するでしょう。
そういうことがまさに国際交流・国際親善でしょうに・・・と感じるのです。

さて、私は方眼紙にこの「パンチャー(と言っていいのかなあ)」へ「指示書的絵」を描かれる仕事を何度か見てきたのですが、それがどのように紋紙への「パンチ」になるのか、見る機会がありませんでしたので、今日はとても勉強になりました。

ところでコンピューターが私たちの前に現れたころ、情報の出し入れは細いテープに穴をあけたものでした。
あれが縦方向に対して直角方向に穴が八個並ぶものでしたが、実はこのパンチカードもまた八個が並んでいるのを見ることができると思います。
「同じなんですよ。ですから私たちはあれを見て、ああそうかと思いましたね。経験済みでしたから。」

このカードに八個の穴が打てるモノが「洋」の紙で、日本では「和」の紙があるそうで十個の穴があけられるのだそうです。それだけ密度が高く複雑にできるという事ですね。
でも普及しているのは「洋」の方。
元来が移入の技術ですからね。
- 2017/02/17(金) 00:00:52|
- 工芸
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