西陣にはジャカート織と言うものがあり、フランスで発明されたものが移入された。
織物は縦糸の上に横糸が出ることによって模様が作られるが、そのどの縦糸の上に横糸を出すかを…逆に言えば度の縦糸の下をくぐらせるかを・・・・「紋紙」という縦長の厚紙に開けられた穴によって織り機に指示する仕組みを言う。
と言っても、書いている私がもうひとつわかりきっていないのでこれ以上は説明できないのですが・・・。

こうした仕事が次第に機械化され、コンピューターの導入に至るその初めから自ら主体的に経験されてきた方ですから、その話は実に興味深いものです。
まだコンピューター導入の誕生期に業界からフランスやドイツに派遣された話などは、この京都の業界が世界に視野を広げつつ国内の優秀な技術者、エンジニアたちと草創期を切り開いていった冒険物語のようです。

この方自身はこの作業の前段階で大きな方眼紙に柄の下絵をこの紋紙づくりへの指示書化する作業も、またこの紋紙を使ってジャカート織機で布を織る仕事もしてきたのだそうです。
それぞれの仕事は分業の前の段階と後の段階を理解してこそ、お互いに仕事に対する配慮や、より優れた製品作りを可能にするのだという話をうかがいました。
目先の利益を負い、自分が儲かりさえすればよいという今の多くの企業や個人の価値観を反省させられる話でした。

この方も参加して書かれた書物も見せていただきましたが、この部分は「特許」を取っておいた方がいいんじゃないかという誘いもあったのだそうですが、
「仕事というものは多くの人の仕事があって初めて成り立つ。そういう事から言えば私のアイディアが、これは私のものとはっきり区別できるかと言えばそうではない。それを『特許』にしてしまって、私だけのものだとか、私だけが利益を上げる権利があると主張するのは、自分には合わない。仕事というものはそういうものじゃないと思う。」

「私らだって、他の人の仕事からいろいろ学ばせてもらった来たんだし、見せてもらって分かったことは、生かさせてもらっアイディアもある。丸ごと真似をしたのでなくても、そういうことが無ければ生まれなかったことはいくつもある。一つの特別な技術やアイディアがあってもそれを活かしてくれる関連した仕事の人がいなくては成り立たないのだしね。」

まるで人類史的技術論や科学論を聞いているようでした。
科学・技術や芸術などと私的所有とのせめぎあいがここに原理的に存在しています。
個人の努力や工夫を尊重し、かつその成果を人類共有の財産にしていく新の社会的価値基準と制度が求められていると思います。
その点で今日のような強欲資本主義に任せるのは違う、と私は思っています。
そのもっとも醜悪な姿の一つが「トランプ米大統領」という形で人格化しているのだろうと思います。

安倍総理が訪米してトランプ米大統領に歓迎された。安倍政権はそれを100%成功した訪米(外交)だと自画自賛している。
イスラム教徒を世界から排除せよと叫んでトランプ大統領の側近中の側近となっていた大統領補佐官が辞任したが、彼の辞任の一つのカギが「虚偽」だった。 ヘイトスピーチと虚偽、どこかで聞いた、見たものだ。
安倍政権の閣僚もヘイトスピーカーと懇意であり自身が足を突っ込んでいる。そして「アンダーコントロール」で世界に嘘の大見得を切りその後まるでその自覚も反省もない宰相。
道理で仲良くなるはずだ。
彼らはお互いに自分と同じ匂いを強く感じたという事だろう。
それを見て日本だけが特別扱いをしてもらったと喜ぶマスコミと一部大衆世論。
恥の上塗りである。
- 2017/02/16(木) 00:00:36|
- 工芸
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