いつもの「ギャラリー知」の二人展を見ました。
若い作家は成長・変化が大きい。境遇や心理状態に変化が大きいからだろう。
大学卒業や、恋愛、分かれ、結婚、就職いろいろな分岐点が出てくる。そのたびごとに精神的な変化が生まれる。それを成長にできるか否かがカギになる。私の人生を振り返ってもそういうことは幾度もあった。変化がいつでも成長とは限らないことも経験済だけれど。
松本晴喜さんは、その変化・成長を経験して個展にそれを表現したようです。

彼の自画像が架けられています。
ちょうど下の写真のような彼の像です。
自画像を描きながら彼は今の自分を確認した様です。
「自分の眼球を描けました。」という言葉がそれを象徴しているようでした。自分を肯定的に受け入れられるようになってきているということでしょうか。それまでは無意識に自分の中に受け入れがたいもの・状況があったのでしょう。

彼の背後にある塑像は「二人展」の相方の船附一裕さんの作品。
こうして表現形式の違う人同士の展示は相互に大いに刺激になるようです。

背後に見えるブロンズ像は船附さんの自刻像。
若い人が自分を見つめるというのは大切な作業でしょう。
描きながら、粘土を塗りこめていきながら自問自答が続いているのかもしれません。
松本さんも船附さんと同じように全身の自画像を描いてみるのもいいかなと思いました。体つき、姿勢などには精神が現れますからね。
このやや前に重心をかけたそれでいてあまり力まない姿勢に今の彼の一面が出ているようにも感じました。

松本さんは鴨川の下流域の鉄道と交差する情景や堤の風景を描いています。
私には絵画のことはよくわかりませんが、空や堤の色の塗り方はとても好感が持てました。写生としてではなくて情感として塗られているように思えました。
わたしみたいな素人の感想にも耳を傾ける松本さん。
次の個展も期待したいですね。
- 2011/10/10(月) 00:03:28|
- 人物
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0