その人がどんなファッションで現れるのか。
私のしているような撮影のしかたでは、待ち合わせの場所にその人が現れるまでほとんどわかりません。
「マフラーをしてきてくださいね。」それだけがお願いしたことでした。

ですから、すべてが行き当たりばったり、出たとこ勝負。
イメージも、描きたい像もあったものではありません。
第一この前は浴衣でしたし、お会いしていた時間はほんの2,3分の事でした。

ですから事前にロケハンをするにしても、単に引き出しを増やしておく程度の意味しか持ちません。
むろんいつかだれかで、ここを背景に撮りたいなあという場所を見つけておくという事はたのしいことですが。
「黙って座ればぴたりと当たる」という八卦に学びたいぐらいのものです。
それにしてもこの人の年齢を5歳くらいは確実に間違って推測していました。
私の見る目は、実際のところあてになりません。

でも撮って良い感じの写真になるかどうかは何とかわかるつもりです。
それでお願いしているわけなんですが、これは間違ったというようなことは今までないとおもいます。
この人のこれまでの人生の流れの中で、ちょうどお会いしたころに「私も写真を撮ってほしかった。」という局面だったそうです。
なんという偶然でしょう。 というか、そういう偶然が重なったからこうして撮れているわけですが。

実年齢よりもちょっと大人びた落ち着きを持った人です。
ですが、当然のことですが私よりずいぶん随分お若いのですから、いろいろな点で感覚が違うはずです。
それでも、ああここで撮ったらいい写真になるだろうなあと思っていただいたり、楽しそうと感じてもらわないと写真が撮れません。

それでやはりロケハンが大切になります。
ですから私の街歩きは、大方の通行人とは見るものが違っています。
ちょっと不審者かもしれません。
これは以前にも書きました。
が、路地裏にまで入っていくときや、建物の細い階段を上っていくときなど、間違っても個人宅などではないことを確かめるようにはしています。でもそのためにきょろきょろしていること自体が怪しいですよね。
- 2016/12/19(月) 00:00:32|
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